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その魂に祝福を
魔石の時代
第四章
覚悟と選択の行方4
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ノ。ちと手を貸せ。まずは相棒を正気に戻すぞ』
「うん!」
「もちろんですよ!」
 言うが早いか、リブロム達は何かしらの作戦会議を始める。私達は明らかに戦力として数えられていない。今までの私達の関係からすれば仕方がない事だが――やるせない思いまでは誤魔化せそうになかった。とはいえ、あれだけの巧者同士の戦闘に割って入る以上、連携の取れない援護はむしろ逆効果にしかならない。口惜しいが……これ以上彼女達の信用を失うような真似は出来なかった。
『…――って方法だ。途中で動きが鈍るから、割と危険だが……何、よほどのヘマをしな
い限り死にはしねえ。行くぞ、ユーノ』
「はい!」
 緊張を宿したユーノが頷く。それを見届けてから、リブロムは続けて叫ぶ。
『恭也! お前はあんまり派手に動かないようになるべく足止めしとけよ!』
「簡単に言ってくれる……ッ!」
 戟音に混ざって恭也が毒づくのが聞こえた――が、彼はそれを承諾したらしい。二人の戦闘は今まで以上に緻密な、それでいて苛烈なものとなった。つまり、その場に足を止めての真正面からの斬り合いだ。近接戦闘の心得において私は彼らには到底及ばないが、それでも、戦術の幅を狭められた方が不利になるくらいの事は分かる。事実、恭也が目に見えて押され始めた。が、それより早く、なのはの近くで薄緑色の光の柱が立ち上った。おそらくはリブロムの魔法。そのリブロムを何故かバインドで背中に括りつけたユーノが走り抜けると、そのあとを追うように赤い光の鎖が生じた。そのまましばらく走った先で、同じ光の柱が立ち上る。そして、
『さぁ、ユーノ。腹括れよ!』
「分かってます!」
 二つの光を頂点に三角形を描くように走る赤い鎖。その最後の頂点を決める場所まで、リブロムを抱えたユーノが一気に走りだす。そして、恭也達の間合いに入ると同時フェレットへと変身、彼らの足元を掠める様に駆け抜け――そして、リブロムが叫んだ。
『恭也、跳べ!』
 それに従い、恭也が後ろに――光の鎖で描かれた三角形から離脱するように跳ぶ。同時、最後の光の柱が立ち上がった。赤い三角形が世界を切り取り――深い翡翠色の輝きへと転じながら、その効果を発揮した。
「一体何が……ッ!?」
 恭也に追撃をかけようとした光の動きが目に見えて鈍くなる。彼だけではない。二人の斬撃で削り取られた地面の破片までがゆっくりと落下する。まるでスローモーションのような――その場だけ時間の流れが停滞してしまったような奇妙な光景だった。
「光お兄ちゃん、ごめんなさい!」
 四つの魔法陣を従えたデバイスを構え、なのはが叫ぶ。
「レイジングハート!」
『Divine Buster』
 放たれたのは砲撃魔法。相変わらず見事な威力を秘めている。一方の御神光は――その姿をした『魔物』は、ようやく拘束魔法から
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