魔石の時代
第四章
覚悟と選択の行方3
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れているからか。理由は何であれ、なのはの反応が鈍かったからだろう。リブロムがもう少し具体的に言い直した。いや、今度は言い切る前にクロノが動いていた。
「ここで確実に彼女達を捕える。僕が直接出よう」
そう言うより先にキーを叩き、周辺にあるサーチャーをその場所に収束させる。まぁ、確かに時間がない中でようやく見つけた手がかりだ。ここで取り逃がしている余裕などない。クロノが現場に到着する前に万に一つも見失う訳にはいかない。
それは確かなのだが。
(クロノ。任務に私情を挟むのは禁物よ?)
少なからぬ私情が混ざった事もまた否定できまい。別にだからという訳ではないのだろうが――事態は思わぬ変化を見せた。
ザザ――ッ。最初に聞こえたのはそんなノイズ音。それをきっかけに映像が狂いだす。映し出されたのは、多分この辺りで放映されているメロドラマ。他のモニターにはワイドショーが。取りあえずまともに機能しているモニターも、まるで無意味な場所を映すばかりで、肝心のなのはをすっかり見失っていた。
「何が起こってるの!?」
「誰かがサーチャーにジャミングを! こちらのコントロールを上手く受け付けません!」
まとまって飛んでいたはずのサーチャーが好き勝手に暴走し始める。モニターの画像は次々と切り替わり見ているだけで目が回りそうだ。
「アースラのシステムに問題はなし。……って事は、向こう側にこちらからのコントロールを妨害している何かがあるだけってこと?」
言いながら、無事なサーチャーを遠ざける。それだけで混乱からは免れたらしい。だが、これではあの周辺の情報は一切入手できない。当然、高町なのはの行方もだ。
「ああもう! 悪さしてるのは何なのよ!? 一体どこにあるの!?」
毒づきながらも、エイミィがジャミングの駆除にかかる。だが、すぐに回復とは行かないようだ。
「やられたわね……」
この妨害行為が誰の手によるものなのかは分からないが、それでもこのタイミングだ。私達はこの世界の住人……少なくとも御神光を知る――つまり、魔法の存在を知る人間達には嫌われたと考えてよさそうだ。もちろん、自分達こそが完全無欠の正義の味方だ思っている訳ではない。落ち度があったのも事実だ。それでもさすがに堪えるものがある。
とはいえ、
(私達にもやるべき事がある。例え恨まれているとしても)
この周辺に、隠さなければならない場所がある。それは間違いない。そのうえで、サーチャーが使えないというのなら。
「クロノ。行くわよ」
「艦長?」
「私も出るわ」
情報は自分の足で獲得する。それに、もう一度彼女達とはしっかり話し合わなくては。
この世界を守りたい。その想いだけは、おそらくこの一件に関わっている全員が同じはずなのだから。
4
『見えるか、チビ。
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