第十三章 聖国の世界扉
第七話 世界扉
[16/18]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
的に敵を攻撃できる。単純な事ですが真理の一つですね。単純にそうとは言い切れない事はありますが。そして、始祖ブリミルの時代、その最強の兵器が槍でした、が、現代は違います。今は槍よりも威力も間合いも遠い武器があります。そう、例えば“銃”、そして“大砲”等がそれですね」
ジュリオの視線が棚に置かれた数十丁の銃に向けられる。
「ですが、あなたの世界とは比べようもないみたいですが。ところで、シロウさんは疑問に思ったことはないですか?」
「何をだ?」
「あなたの世界からやってくるものが、何故全て“武器”なのかと言うことをです」
「……お前たちが知らないだけかもしれないぞ」
「そういう事もあるかもしれませんが、まずないとは思いますよ。先程も言った通り、何百年も昔から、密偵たちは“聖地”の近くで見つかる見慣れぬものは全てこちらに送っていますが、その中に武器以外のものはまだ見つかっていません」
「何故、そう言い切れる」
断言するジュリオ。だが、それはおかしい。剣や槍等はともかく、現代兵器の中には、この世界の人間が見て、武器だとわかるようなものがある。実際に魔法学院の宝物庫に保管されている“破壊の杖”等の例もある。
しかし、ジュリオは変わらず笑みを浮かべたまま士郎の疑問に応えた。
「簡単なことですよ。ぼくたちに分からないことでも、同じ世界の人なら簡単に分かりますからね」
「っ、それは、つまり―――」
「ぼくたちは過去、あなたと同じ世界から来た人間を見たことがありますから」
ジュリオの言葉に、士郎の脳裏に蘇る記憶。
魔法学院学院長オールド・オスマン―――彼を救った自衛官。
シエスタの曽祖父―――佐々木武雄。
どちらも士郎のいた世界からやって来た者たちだ。
「ん? 『人間も』と言うのならば、やってくるものが全て“武器”とは言えないだろ」
「正確に言えば巻き込まれた、ですね。“場違いな工芸品”は、時折聖地に開かられるゲートからやってくるのですが。そう、ガンダールヴのために、その時代最強の槍を贈るためにですね。そのゲートが開く際、希に人が巻き込まれて一緒にやって来ることがあるんですよ」
「―――っ」
確かに、思い至る節がある。
オスマンを救った自衛官はロケットランチャー。
シエスタの曽祖父である佐々木武雄は零戦。
どちらも“武器”の傍にいた。
―――しかし。
「……?」
なら、セイバーは?
彼女がこの世界に来た時、既に聖剣は湖の貴婦人に返した後であり、武器と呼べるものは何も持ってはいなかった筈。
―――どういう、ことだ?
士郎がふと浮かんだ疑問に思考を没頭させ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ