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剣の丘に花は咲く 
第十三章 聖国の世界扉
第七話 世界扉 
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的に敵を攻撃できる。単純な事ですが真理の一つですね。単純にそうとは言い切れない事はありますが。そして、始祖ブリミルの時代、その最強の兵器が槍でした、が、現代は違います。今は槍よりも威力も間合いも遠い武器があります。そう、例えば“銃”、そして“大砲”等がそれですね」

 ジュリオの視線が棚に置かれた数十丁の銃に向けられる。

「ですが、あなたの世界とは比べようもないみたいですが。ところで、シロウさんは疑問に思ったことはないですか?」
「何をだ?」
「あなたの世界からやってくるものが、何故全て“武器”なのかと言うことをです」
「……お前たちが知らないだけかもしれないぞ」
「そういう事もあるかもしれませんが、まずないとは思いますよ。先程も言った通り、何百年も昔から、密偵たちは“聖地”の近くで見つかる見慣れぬものは全てこちらに送っていますが、その中に武器以外のものはまだ見つかっていません」
「何故、そう言い切れる」

 断言するジュリオ。だが、それはおかしい。剣や槍等はともかく、現代兵器の中には、この世界(ハルケギニア)の人間が見て、武器だとわかるようなものがある。実際に魔法学院の宝物庫に保管されている“破壊の杖”等の例もある。
 しかし、ジュリオは変わらず笑みを浮かべたまま士郎の疑問に応えた。

「簡単なことですよ。ぼくたちに分からないことでも、同じ世界の人なら簡単に分かりますからね」
「っ、それは、つまり―――」
「ぼくたちは過去、あなたと同じ世界から来た人間を見たことがありますから」

 ジュリオの言葉に、士郎の脳裏に蘇る記憶。
 魔法学院学院長オールド・オスマン―――彼を救った自衛官。
 シエスタの曽祖父―――佐々木武雄。
 どちらも士郎のいた世界からやって来た者たちだ。
 
「ん? 『人間も』と言うのならば、やってくるものが全て“武器”とは言えないだろ」
「正確に言えば巻き込まれた、ですね。“場違いな工芸品”は、時折聖地に開かられるゲートからやってくるのですが。そう、ガンダールヴ(あなた)のために、その時代最強の()を贈るためにですね。そのゲートが開く際、希に人が巻き込まれて一緒にやって来ることがあるんですよ」
「―――っ」

 確かに、思い至る節がある。
 オスマンを救った自衛官はロケットランチャー。
 シエスタの曽祖父である佐々木武雄は零戦。
 どちらも“武器”の傍にいた。
 ―――しかし。

「……?」

 なら、セイバー(アルトリア)は?
 彼女がこの世界(ハルケギニア)に来た時、既に聖剣(エクスカリバー)は湖の貴婦人に返した後であり、武器と呼べるものは何も持ってはいなかった筈。
 
 ―――どういう、ことだ?

 士郎がふと浮かんだ疑問に思考を没頭させ
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