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剣の丘に花は咲く 
第十三章 聖国の世界扉
第七話 世界扉 
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て使われていたと聞きますが……そこを今は別のものに利用させてもらっています」
「―――別のもの(・・・・)、か」

 ジュリオと話している内に、通路よりも広い少し開けた場所に出た。円筒状に広がるそこは、四方に鉄製の扉が設置されている。年月の劣化による赤い錆びういた四方の鉄扉には、その上を大量の埃が積もり、明らかに長年ほうって置かれていたことが伺えた。長年放置されていたと見える割には、何重も鎖で巻きつけられたその施錠の状況は酷くアンバランスにも見える。士郎が無言で考えを巡らしていると、ジュリオはさっさと鉄扉を封印する鎖を止めている錠前の中に、手に持った鍵を差し込んでいた。バチン! と割と重くざらついた音を立てながら錠前が外れた。鉄扉に巻きついていた鎖が、戒めを解かれダラリと垂れ下がる。
 後は扉を開くだけとなり、ジュリオは腕まくりをして気合を入れると、扉の取っ手を握り締め、一気に引っ張る―――が。

「……手伝うか?」
「え、ええ。お願いしてもよろしいですか?」

 錆び付いてビクともしない扉に悪戦苦闘するジュリオに、暫らく様子を見ていた士郎が流石にと思い声をかけると、ジュリオは頬を掻きながら照れくさそうに笑いながら頷いた。士郎はそれに苦笑いで応えながら扉の前に立つ。士郎とジュリオが扉に手をかけ、同時に力を込める。
 すると、先程までピクリとも動かなかった扉がバギッ! っと破壊音に似た音と共に開いた。扉の向こうに風が吹き込み、降り積もっていた埃が一気に舞い上がり、松明の光を反射させキラキラとした光を見せる。
 開かれた扉の向こうには何も見えない。どうやらかなり広い部屋のようだ。ジュリオが持つ松明の明かりでは、扉の近くだけしか照らせていない。士郎の目が闇に慣れるより前に、ジュリオが松明を掲げ部屋の中へと入り、何やら壁を探り始めた。

「えっと、確かここら辺に……っよし、見つけた」

 探し物を見つけたのか、ジュリオが喜色の声を上げると一斉に部屋に明かりが点いた。どうやら部屋には魔法のランタンが取り付けられていたようだ。突然の光に目が眩み、ボヤけた視界が元に戻ると、士郎は目の前に広がる光景に息を飲んだ。

「―――っ、これは……」
「どうですか? 驚いたでしょう」

 ジュリオの得意気な声は耳に届かず、士郎はただ目の前に置かれたものへと手を伸ばす。硬く、冷たく、独特のツンっとした鉄の匂い。慣れたそれを間違えはしない。
 銃―――だが、ハルケギニアのものではない。 
 
「―――AK−47」

 士郎は手に取った銃に視線を落とす。長いバナナ方の弾倉が特徴的な銃。
 AK−47―――1947年式カラシニコフ自動小銃。
 1947年にソビエト連邦軍が正式採用した歩兵用の自動小銃であり、その極めて高い耐久性、信頼性か
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