第1部 ゼロの使い魔
第6章 微熱のキュルケ
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かたがないの。わかる?あたしの2つ名は『微熱』」
「ああ」
「あたしはね、松明みたいに燃え上がりやすいの。だから、いきなりこんな風にお呼び立てしたりしてしまうの。わかってる。いけないことよ」
「…」
ウルキオラ再び何も言わない。
「でもね、あなたはきっとお許しくださると思うわ」
キュルケは、すっとウルキオラの手を握ってきた。
どんな男でも、キュルケにこんな風に見つめられたら、原始の本能を呼び起こされるに違いない。
ただ1人を除いて…
「何をだ」
キュルケはすっと立ち上がると、ウルキオラに近ずいた。
「恋してるのよ。あたし。あなたに。」
「恋…?」
ウルキオラは理解できなかった。
「あなたが、ギーシュを軽くあしらった時の姿……。かっこよかったわ。まるで伝説のイーヴァルディーの勇者みたいだったわ!あたしね、それを見て痺れたのよ。信じられる?痺れたのよ!」
「イーヴァルディー…だと?」
ウルキオラは驚いた顔でキュルケに言った。
「え、ええ…そうよ?」
ウルキオラは徐に左手を自らの胸にあげた。
「俺の手に刻まれたルーンもイーヴァルディーだった」
ウルキオラがそう言うと今度はキュルケが驚いた。
「そ、それほんと?」
「嘘をついてどうする」
「そ、そうね…じゃあ、あなたは本物の…」
キュルケが何かを言いかけたとき、窓の外を叩かれた。
そこには、恨めしげに部屋の中を覗く、1人のハンサムな男の姿があった。
「キュルケ……。待ち合わせの時間に君が来ないからきてみれば……」
「ペリッソン!」
キュルケがそう言った瞬間、ガチャリとドアが開かれる音がした。
「失礼する」
ウルキオラがキュルケの部屋から出ようとしたのを見て、キュルケは叫ぶ。
「ま、待って」
ウルキオラにその声が届くことはなく、部屋にはキュルケだけが残った。
部屋に1人残されたキュルケはため息をついた。
窓の外から声が聞こえてくる。
「今のは…ルイズの使い魔か?なぜ君の…」
ペリッソンが言い終える前に、キュルケは胸の谷間に差した派手な魔法の杖を取り上げると、ペリッソンに向けて杖を振った。
ロウソクの火から、炎が大蛇のように伸び、窓ごと男を吹っ飛ばした。
「もう…とんだ邪魔が入ったものだわ…」
キュルケは少し考えた後に言った。
「彼は…本当にイーヴァルディーなのかしら…」
キュルケは不敵な笑いを浮かべながら続けて言った。
「なら、本当に諦めきれないわ…」
そう言って、ロウソクの火を消した。
ウルキオラがキュルケの部屋から出ると、ルイズの部屋のドアが物
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