11.休日
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とある機動六課の休日
「むむむむっ……!」
『Dノ百三十七仮想訓練終了。B−』
「んあぁ。中々Aランクが取れないぃ……」
朝食の時間は過ぎ、昼食まではまだ時間があって閑古鳥な地上本部の食堂で、彼女は彼女のインテリジェンス・デバイスであるツクヨミが用意した魔法訓練プログラムを意識内に展開した仮想訓練に没頭していた。
元々高校生離れした完璧超人なスペック(コミュステALL MAX)な彼女は魔法を構築する数式やら何やらもすぐに物にして、自分が必要又は使いたい魔法を身に付けていった。
更に並外れた戦闘経験を持つ彼女は、ツクヨミが用意した実践形式の仮想訓練もまだ使える魔法の種類も少ないにも関わらずトントン拍子にクリアしていったが、訓練ステージが空戦メインになってからは満足のいく評価が取れていない。
戦い方が無意識レベルで身に染み着いているのが災いし、宙に浮き足下の感覚が無いのに慣れる事が出来ずにいる。
その為、動きにも今一つキレが無く無駄に被弾したりモタついて時間が掛かったりしているのが評価が下がっている原因だと彼女は分析してるが、直らない。
意識して直らないならば、とにかく場数をこなしてコツを掴もうと、彼女は数分のインターバルを挟んで何度も仮想訓練を繰り返していた。
「おや朱音ちゃん、こんなトコで何してんだ?」
「あっ、ヴァイス陸曹。ちょっと仮想訓練を。陸曹はお食事ですか?」
彼女の後ろには機動六課で輸送用ヘリ等の操縦を一手に引き受けているヴァイス陸曹が、はがくれ程では無いにしろ食欲を誘う匂いのするラーメンが載ったトレイ片手に立っていた。
「ああ、ちと小腹が空いてな。にしてもせっかくの休日だってのにこんなトコでイメトレとは真面目だねぇ」
「アハハハハ、休日って言っても嘱託登録して配属されたばっかりでまだきちんと仕事もしてないですし。魔法とかもまだ扱いきれてませんし」
「んなこと気にしなくても大丈夫だと思うけどな。デスク仕事は分からない事はきちんと他の人に聞いて、ミスが無いか確認すればいいんだし、魔法の方も次辺りから訓練に参加するんだろ?そん時に高町隊長が基礎から手取り足取り丁寧かつ容赦無くみっちり叩きこんでくれるさ。その前に今の内に沢山休むなり遊ぶなりして英気を養っとくのが一番だぜ」
「でも仮想訓練もゲームみたいで楽しいですよ。まぁ、今はちょっと詰まってますけど」
「ほう?シグナム副隊長とまともにやり合える朱音ちゃんが手こずる様なプログラムなんかあるとは意外だな。何に手こずってんだ?」
「ちょっと飛行魔法が。何か中々慣れなくて……」
「あぁ成る程。よくある話だな」
「そうなんですか?」
「訓練校とかでな。毎年恒例、何人かは空を飛ぶって
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