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お嬢様は手強い!?
第三章

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「これからね」
「わかったわ、じゃあね」
「最後の一人までね」
「誰が残るのか」
「勝負よ」
 友人達も笑顔で応える、彼女達は自信があった。実はリンダはというと。
「この娘暑がりだからね」
「夏はいつも汗を気にしてるし」
「水泳が好きなのもお水で冷たくなれるからだし」
「だったらね」
「ここは私達の勝ちよ」
「暑がりのリンダにはサウナは辛い筈よ」
 こうした読みがあった、リンダが厚さに弱いことも考慮したのだ。そのうえで彼女とサウナでの勝負をするのだ。
 まずは五分経った、汗が身体中から出て来る。しかし五分ではまだだった。
 一人も抜け出ない、しかしそれが。
 六分七分となり八分が過ぎるとだった。
「御免、私もう」
「私も」
 出る者が出て来た、そして。
 十分になった、するとさらにだった。
「私限界」
「先に水風呂入って来るわね」
「これ以上はね」
「ちょっと」
 こう言ってだ、次々に去っていった。そうして。
 次から次に部屋を後していく、しかしリンダはだった。
 そこに座り続けていた、全身から汗を噴き出しているがそれでもだった。
 そこにいる、その彼女を見て友人達は言った。
「リンダ、まだ残るの?」
「もう汗だくだけれど」
「お部屋出ないの?」
「そうしないの?」
「私は誰にも負けないわ」
 その汗で濡れた、プールに入った時の様になっている顔での言葉だ。
「だからよ」
「立たないのね」
「まだ」
「そう、まだよ」 
 こう言ってだ、そのうえでだった。
 リンダは立たない、部屋を去ろうとしない。厚さに弱い筈なのに。
 そして遂にだった、残っている者達もだった。
「うっ、もう駄目」
「もうこれ以上は」
 こう言って席を立つ、そしてだった。
 部屋を後にしてかがり水をしてからだった、水風呂に入った。そこでは友人達が暑さを冷たさで癒しつつほっとしていた。
 そしてそのほっとする中でだ、話をするのだった。
「いやあ、負けたわ」
「まさかリンダが堪えるなんてね」
「暑さに弱いっていうのに」
「それでもね」
「最後の最後まで我慢するなんて」
「やっぱり負けん気が強いわね、あの娘」
 リンダのその我慢強さと負けん気の強さにあらためて感心するのだった。
「本当にね」
「凄いわね」
「あの娘がね」
「あそこまで頑張るなんて」
「いや、凄いわ」
「感服したわ」
 結局リンダのその負けん気の強さと我慢強さに感服した。だがここでだった。
 ふとだ、一人がこう言ったのだった。
「それでリンダは?」
「リンダは?」
「リンダはって?」
「そのリンダは今どうしてるの?」
 こう言ったのっだった、気付いた様な顔で。
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