第一章
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お嬢様は手強い!?
リンダ=デル=フレーニは代々続く伯爵家の出である、フレーニ家はワインやチーズで財を為し資産家でもある。つまり裕福でもある。
学業は優秀、スポーツも水泳と陸上を得意とする。性格はお高く止まっていて誇らしげであることはそうなのだが評判は決して悪くない。
「癖は強いけれど、自信家で負けん気が強くてプライドも高くて」
「あれで意外と親切だし」
「困ってる人を見捨てないのよね」
「後輩の面倒見もいいし」
「曲がったことは嫌いで」
「生真面目でね」
「卑怯未練とは無縁よ」
性格もどちらかというといい方だ、だから友人も多い。
その友人達にだ、リンダはその見事なイタリア人には珍しい銀髪、腰まで伸ばしたそれを左手でかき分けながらだった。
紫の、やはりイタリア人離れした切れ長の睫毛の長い瞳を微笑まさせて紅の小さな唇でこう言うのだった。
「皆さん、今日も清く正しく美しく」
「生きなければならないっていうのよね」
「人間として」
「学業もスポーツも日常生活も」
「その全てをというのだ」
「そうして過ごしましょう」
こうだ、白い細面で言うのだった。背は一六四程で脚がすらりとしている。胸は制服の上からはっきりと形がわかる。
スタイルも完璧だ、そうしてだった。
誇り高くだ、友人達と共にその日も過ごすのだった。
そして部活の後は家からの車に乗って帰宅する、その時に友人達に挨拶をすることも忘れない。
「ではまた明日」
「うん、帰りの挨拶にしては物々しいけれど」
「それでもね」
「じゃあまたね」
「また明日ね」
友人達は少しやれやれといった顔になってリンダに返す、そうしてリンダは深々と頭を下げてそのうえで車に乗って家に帰るのだった。
その車に手を振ってからだった、友人達はそのやれやれといった顔になって言うのだった。
「リンダって悪い娘じゃないのよね」
「性格はいいのよね」
「ただね、何かね」
「普通にね」
「貴族的過ぎる?」
「典型的なね」
そうした風に見えるというのだ。
「絵に描いたみたいな」
「そういう娘って何かね」
ここで一人がこんなことを言った、夕刻の校門前で。
「弄りたくならない?」
「ああ、なるわね」
「隙がないんで出来ないけれど」
「見ているとね」
「そう思えるわよね」
「どうしてもね」
「とはいってもね」
確かに弄りたくなる、しかしそれでもだった。
「リンダって隙ないのよね」
「お勉強の方もスポーツの方も」
「日常生活でもね」
「お掃除だって自分から進んでやるし」
人にあれこれ言って自分は、というタイプでもない。こうした意味でもリンダの性格はいいのだ。貴族としての義務だと本人は言う。
「
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