第一章
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アイドルでも女の子
長い黒髪に波をかけてセットしている、小柄だがスタイルはよく胸の大きさでも定評がある。あどけない感じの顔立ちだがふと悩ましげな顔も見せる。
長い睫毛がトレードマークの目は二重ではっきりしている、鼻はやや低いが潰れている感じではなく形はいい。
唇は横に少し大きく薄い。色は見事なピンクだ。白い肌も人気の源である。
沖本美奈世はアイドルとして売り出し中だ、事務所の方も社長自ら彼女についてこう言う程である。
「美奈世ちゃんはこのままね」
「はい、売り出しですね」
「事務所が全力を挙げて」
「一度採用したタレントは全力で売り出す」
社長は事務所のスタッフにこうも言った。
「これがうちの事務所の方針だけれどね」
「はい、誰でもですね」
「一度うちのタレントにしたら」
「そう、そうしてね」
そのうえでというのだ。
「全力で守る」
「スキャンダルや悪質なマスコミから」
「それもうちの方針ですよね」
「けれど美奈世ちゃんはその中でもね」
「特に、ですよね」
「強くですよね」
「そう、売り出すよ」
そうするというのだ。
「今丁渡人気が出てきた頃だけれどね」
「今まで以上にですね」
「プッシュしますね」
「あの娘、トップアイドルになるよ」
社長は笑みを浮かべてだ、その目の光を強くさせて言い切った。
「だからこそ事務所としてもですね」
「そうしていきますね」
「そうだよ、やっていくからね」
「わかりました、それでは」
「これまで以上に」
「美奈世ちゃんに仕事を取って」
そうしてだった。
「歌やダンスのレッスンもね」
「増やして、ですね」
「育てていきますね」
「アイドルは一日にして成らず」
こうも言う社長だった。
「そして一人でも成らずだからね」
「だからこそ事務所としても」
「押していきますか」
これまで以上にとだ、スタッフ達も応える。そして実際にだった。
事務所jは美奈世をどんどん押した、とはいってもゴリ押しではない。あくまで普通の押し方だ。しかしそれで充分だった。
美奈世は歌にCM、それにドラマにだ。目覚しい活躍を見せた。勿論グラビアの仕事も次から次にやって来た。
演技力も中々のものでありドラマでも評判がよかった、これにはマネージャーである中西妙子も驚いた。
そしてだ、帰りの車自分が運転する車の中でだ、後部座席に座っている美奈世に対して言ったのだった。
「今日の演技最高だったわ」
「そんなにですか」
「ええ、まだ十七歳とは思えない位にね」
そのレベルで、というのだ。
「よかったわ」
「そうですか、それは何よりです」
「ええ、それじゃあね」
「はい、それじゃあですよね」
「ご
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