第30話 虚無(ゼロ)のルイズ
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座った。
扉が開いて先生が入ってきた。紫色のローブに身を包み、帽子を被っている。30代の女性だが、15年程前から老化防止薬を販売しているので、実年齢は45歳を超えていると思われる。
「皆さん。春の使い魔召喚は、大成功のようですわね。このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に、様々な使い魔たちを見るのがとても楽しみなのですよ。
おやおや。変わった使い魔を召喚したものですね。」
シュヴルーズ先生はルイズ達を眺めながら挨拶した。
「では授業を始めますよ。」
シュヴルーズは、こほんと重々しく咳をすると、杖を振った。机の上に、石ころがいくつか現れた。
「私の二つ名は赤土。赤土のシュヴルーズです。土系統の魔法を、これから一年、皆さんに講義します。魔法の四大系統はご存知ですね?ミスタ・マリコルヌ。」
「は、はい。ミセス・シュヴルーズ。火・水・土・風の四つです!」
シュヴルーズは頷いた。
「今は失われた系統魔法である虚無を合わせて、全部で五つの系統があることは、皆さんも知っての通りです。その五つの系統の中で土は最も重要なポジションを占めていると私は考えます。」
ここに虚無の担い手がいることを知らないシュヴルーズは、それから以降も如何に土が重要化を語った。
「今から皆さんには土系統の魔法の基本である、錬金の魔法を覚えて貰います。一年生ときに出来るようになった人もいるでしょうが、基本は大事です。もう一度、おさらいすることに致します。」
シュヴルーズは、石ころに向かって、手に持った小ぶりな杖を振り上げルーンを唱える。石ころはピカピカ光る金属に変化した。
「ゴゴ、ゴールドですか?ミセス・シュヴルーズ!」
キュルケが身を乗り出して質問する。
「違います。ただの真鍮です。ゴールドを錬金出来るのは、スクウェアクラスのメイジだけですが、私はただのトライアングルですから・・・。」
「ねぇ、この授業は昔のままのね。」
ルイズは隣の司に話しかける。
「それはしょうがないよ。先生も生徒も、最新の理論についていってないからね。十分に教わっているのは、各王家に近い者達とアカデミーの研究者ぐらいなものだよ。」
「ミス・ヴァリエール!」
「は、はい!」
「授業中の私語は慎みなさい。お喋りをする暇があるのなら、あなたにやって貰いましょう。」
「はい、すいません。」
ルイズは誤りながら、教壇に立って、ルーンを唱える。そうすると、石ころが金色に光輝いた。
シュヴルーズは金属を確かめる為に探知魔法を使った。
「ゴゴ、ゴールド!」
シュヴルーズは100%純金の金属を見て固まってしまった。
その後、司が取り成して事なきを得る。
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