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妹みたいで
第三章
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第三章

「何でそんなに固くなってるんだ?」
「だって」
「だって?」
「知らない人多いし」
 だからだというのである。それでおどおどとした態度になっているのだ。
「そうでしょ?見たことない人一杯いるじゃない」
「それはいるだろうな」
 幸平は彼女のその言葉を聞いてもこう言うだけだった。
「あいつも。前田だったな」
「ええ」
「高校から違ったよな。それだとだ」
「知らない人も多くなるっていうのね」
「しかも旦那さんの知り合いもいるだろ」
 彼はこのことも指摘したのであった。
「それだと知らない人もいて当たり前じゃないかな」
「言われてみればそうだけれど」
「それならそんなに人見知りすることないだろう?」
「わかってるわよ」
 口ではこう言いはする。
「それでも。何か」
「ここにいればいいから」
 幸平はやれやれといった調子でまた彼女に言った。
「別に何もないさ」
「そうなの」
「ほら、これ」
 遥の前にビールが入ったグラスを差し出す。彼が入れたものだ。
 それと食べ物をである。サンドイッチや寿司といった簡単なオードブルである。
「楽しくやるんだろ?」
「ええ、そのつもりだけれど」
「じゃあ飲んで食べて」
 また遥に対して言う。
「そうしてな」
「ええ」
 戸惑いながら幸平の言葉に頷きそのオードブルとビールを飲んでいく。遥はパーティーの間ずっと幸平の傍を離れなかった。そうしてパーティーが終わって帰る時だ。
 ビールのせいでふらふらであった。その右肩を幸平に預けて帰っている。幸平は彼女の肩を担いだ状態で声をかけるのであった。
「大丈夫か?」
「大丈夫よ」
 また口では言いはした。
「全然ね。大丈夫よ」
「本当か?」
「本当よ」
 しかし全然そうは見えなかった。
「だから放っておいてよ」
「そういうわけにもいかないからな」
 幸平は今の言葉は退けた。
「帰るか」
「帰るって?」
「帰るっていったら家だよ」
 そこしかなかった。
「家にな。送ってくからな」
「有り難う」
 彼の今の言葉には素直に礼の言葉を返す遥だった。夜道でふらふらになっている。左手は自由だが白いバッグを無造作に振っている。完全に酔っている。
「じゃあ」
「タクシー拾うか」
 幸平はここでこう考えた。
「ここは」
「お金あるから」
「俺もあるから」
 遥の言葉をそのまま返した形になった。
「それは別にいいよ」
「いいわよ」
「いいから帰るぞ」
 ここはもう遥にそれ以上は言わせなかった。丁度通り掛かった空車のタクシーを拾って彼女の家まで送り届ける。玄関のチャイムを鳴らすと早速遥にそっくりの中年の女の人が出て来た。見れば服も普段の彼女の格好と同じジーンズ姿であった。スタイルま
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