暁 〜小説投稿サイト〜
無欠の刃
下忍編
悪夢
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がら、幼子を見る。
 幼子は酷くやつれた顔で、まるで何かに取りつかれているかのように、何も見ていない瞳でカトナを見つめ返し、


 「つかれたよ」


 そして、タブーにふれる。
 次の瞬間、カトナは何の予備動作もなく、目の前にいる幼子に一瞬にして詰めより、持っている刀で、その幼子を、ずたずたのぎたぎたに、切り裂いた。



・・・



 飛び起きて、カトナは自分の首に手を当てた。
 どくどくと、蠢くその力に、カトナは舌を打つ。
 呪印の、チャクラを吸うという効力を失わせることには成功していたが、しかし、細かなところにまで手が回っていなかった。みたらしの呪印の方は完全に封じれていたのに、自分の方だけ封じれない…ということはおかしい。
 カトナがチャクラコントロールでミスする可能性は少ない。ということは、カトナの呪印の方に新たな仕組みも組み込んでいたのだろう。
 みたらしアンコの首元に、一体いつあの呪印が仕込まれたのかは予測が付かないが、どう考えてもカトナの方がつけられた時期は遅いだろう。改良…この場合は改悪されたといっても過言ではないだろう。
 油断していたと自らに舌打ちを飛ばした後、カトナは周りを見渡す。
 本当のところは警戒し、見張りでも置いておくのが普通なのだろうが、三人の体力を考えると寝ておくことが必須だし、何よりこうやって無防備で寝ていることにより自らを囮とし、罠に賭けれる可能性もまた高くなる。
 ゆえにぐっすりと寝ている二人を起こしていないことに安心しながら、カトナは己の掌を見つめた。

 「……あの呪印、こういう効能もあったのか」

 ぽつりとそう呟いて、カトナはどうしたもんかと首をかしげた。
 流石に悪夢を見せないようにする方法は思いつかない。チャクラの流れをいじることで脳細胞の一部を刺激し、見たくないと思い忘れようとした記憶を故意に整理させることで、悪夢を見させている…と言うことくらい簡単に予測がつくが、だからといって、悪夢を見させないようにするためのチャクラの流れが把握できない。
 脳細胞を刺激することくらいはカトナにも出来るが、どの脳細胞を刺激すれば悪夢を見ないようになるか、までは把握しきていれない。というか、把握するには、人間の実験体…すなわちモルモットが必要になる。
 大蛇丸は当たり前の様人間を改造していたが、しかし、カトナは化けものになってもそこまでの行為は出来ない。
 カトナもまたそこまで非道ではない。自分を実験体にして実験する…という案もないわけではないのだが、だがしかし、そんなことまでもして失敗して、記憶を喪失でもしてしまったら、ナルトに顔向けできないし、サスケに目も合わせられなくなる。

 …ひとりで、悪夢にうなされておくか。そうしたら、誰にも迷惑をかけな
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