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妹みたいで
第二章
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第二章

「そんな昔の話で」
「私は出るわよ」
 遥は笑って彼に言ってきた。
「じゃああんたもね」
「出ろっていうのか」
「式の後のパーティーね」
 出るのはそれだというのだ。パーティーにだ。
「出るんでしょう?いいわね」
「断る選択肢はないのかよ」
「あのね、あんたが断ったらね」
 遥は急に弱い顔になってきた。その顔で言ってきたのだ。
「私一人になるのよ」
「一人か」
「そうよ、一人よ」
 また幸平に対して告げる。
「それってどうなのよ」
「一人でもいいじゃないか」
「そうじゃなくて。私一人で行けっていうの?」
 遥の言葉は続く。
「私一人で」
「一人で行けるだろう、パーティーには」
「あんたが来てくれないと駄目よ」
 なおも言う遥だった。
「絶対にね。わかったわね」
「わかった。嫌っていう選択肢は俺にはないんだな」
「ええ、そうよ」
 遥の顔が笑顔に戻った。
「その通りよ。いいわね」
「わかった。それじゃあな」
 こう話してそれでここでの話は終わった。だが幸平は講堂の中で憮然としたままであった。その顔で自分の前に座った遥を見るのであった。
「全く。こいつは」
 これまでのことを思い出しながら呟く。
「子供の頃からな」
 何しろ小学校からの付き合いである。それを思い出すのだ。
 いつも威勢よく言うが実際は何もできはせずいつも幸平が面倒を見ている。勉強もである。彼が勉強を教えてそれで高校も大学も同じになったのだ。その彼がである。
 そうしてだ。さらに思い出していく。
 いじめられればそれを助ける。気は一見すると強いが実は弱い。引っ込み思案でうじうじとしたところがある。それは子供の頃からなのだ。
 そんな彼女に言われてパーティーに出る。一応スーツを着てそれが開かれる店に向かうがである。一緒に来た遥はというとであった。
「ねえ」
「何だよ」
「この格好でいいわよね」
 彼女もスーツを着ている。クリーム色の膝までのタイトスカートをはいている。ジーンズが多い彼女も流石に今は違っていた。
「これで」
「それでいいんじゃないかな」
 一見したうえで返す幸平だった。
「その格好で」
「色々考えたのよ」
 遥は自信なさげな顔で述べた。
「どんな格好がいいかなって」
「それでか」
「そうなのよ。成人式の時の服で」
「そういえばそうだな」
 言われてそれに気付いた幸平だった。
「その服は」
「そうなのよ。やっぱりこれだってね」
「じゃあ行くか」
 こうして彼等はパーティーに行く。しかしであった。
 彼等はそのパーティーに行くとであった。もう皆集まっていて楽しいものがはじまろうとしていた。二人も知り合いから歓迎されはした。
 そして自分達の席に座るとであった。
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