第10話〜とある美術部員の一日〜
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イウスが中衛。アリサが一人後衛だけど・・・いいかな?」
「ええ、それで行きましょう」
「負担が大きいかもしれないけど、魔獣には指一本触れさせないから安心してくれ」
「!・・・わ、判ったわ。その、ありがとう」
頬を僅かに紅潮させたアリサがケインの言葉に頷く。バックアタックの危険性があるアリサを不安を軽くしようとかけたその台詞に、約一名の表情が険しくなっている。
「ケイン、そなたは少し自重するがよい」
「?ラウラ、普段より表情が硬いな。大丈夫。君ならここの魔獣には遅れを取らないよ。
背中は守らせてもらうから前衛は頼む」
「・・・任せるがよい」
(ケイン、たぶん大丈夫じゃないと思うんだが)
リィンの脳内ツッコミもむなしくラウラの意図を組むのにケインは失敗したようだ。
リィンのジト目やガイウスの温かい視線に気づいたケインが「どうしたんだよ?」と問いかけるもはぐらかされて終わったらしく、頭に疑問符を浮かべている。
(?ケインは彼女らの精神的負担を減らしただろう。皆、どうしたというのか?)
分かっていないのは、ケインだけではなかったらしいがそれを知るものはいなかった。
微妙な風が漂う中、一同は扉の先に進んで調査を開始し始める。ケインの推測が正しかったのか、オリエンテーリングで戦闘した魔獣よりは手応えがあった。しかし、ケインの指揮のおかげで戦闘効率も良く、戦術リンクも問題なく繋げているため、苦になったり危険になるレベルではないように思える。これから段階的に強くなっていくであろうが。
「っと、着いたみたいだな。前と同じなら、この先には強い魔獣がいるはずだけど・・・」
「そうだな・・・みんな、万全の準備で挑もう」
ケインの言葉にマイナスになりかけた思考をクリアにするアレス。どうやら終点の扉まで辿りついたらしい。ケインに相槌を打ちをリィン。それに同調して頷いた一同は、彼を筆頭に扉の先へ足を踏み入れる。第二層の中で比較的広い部屋の中央からその侵入を待っていたかのように魔獣が三体出現した。姿を現したのは扉と一体化したかのような異形の魔物。一見するとチョウのように見えるが中心にある人の顔らしき石造が不気味な雰囲気を醸し出し、目算して約3アージュはありそうな大きさだ。オリエンテーリングで戦闘した石龍には強さが劣るであろうが、数は多い。先手を取ろうとしたのか、ケインが毅然とした声で仲間を指揮する。
「俺が左翼を抑えるから残りの二体を頼む!」
その声を聞いた一同は、右側と中央にいたその魔獣に対処するべく身構えた。
一方ケインは、近接スタイルに移行して左側にいた魔獣に肉薄し、目にも留まらぬ速さで斬り裂いていく。アレスたちが緑色の怪光線を避けている間に左の一体は消滅していた。圧倒的な速度で魔獣
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