第10話〜とある美術部員の一日〜
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るべき実技テストに備え、戦術リンクのカンを研ぎ澄ませておくのも良いだろう。そう考えたアレスはリィンの頼みを快く引き受けて旧校舎に向かった。
「待たせてすまないな」
「いや、こちらこそいきなり呼び出して悪かった。部活の方はもういいのか?」
「今日は午前中で終了になったから構わない。おそらくは、クララ部長の御配慮だろう。
それに・・・この旧校舎は前々から気になっていた」
「そうだったのか・・・」
リィンのほかにはケイン、ラウラ、アリサ、ガイウスが来ていた。校舎の扉を開錠したリィンが「気をつけて行こう」と一同に告げ、五人は頷いて彼の後に続く。
中に入り、建物の構造が変わってしまうという言伝の話をにわかには信じられないというアリサ。そんな彼女にそれは自身の目で確かめた方が早いだろうとガイウスが言い、全員で奥の扉に進んでいく。奥の部屋の中心には昇降機のような大きい円盤型の台座があった。一か月前にはこんなものは影も形も無かったらしい。サラ教官が幾度か調査した際は特に目立った変化は無かったそうだが、構造が変わってしまうというのは真実のようだ。
(まさか・・・この中の誰かが“鍵”なのだろうか。おそらく今回から来たアリサは無関係だ。ふむ、可能性があるのはケイン、リィン、ガイウス、ラウラの四人ということか)
「アレス?どうかしたのか?」
「・・・少し考え事をしていただけだ。その台座、詳しく調べてみるとしようか」
リィンはそれに頷き、6人で台座に乗ると何やら石板の様なものが奥に立っていた。
「これ・・・よく見ると鉱山なんかで使われる昇降機に似てるみたい」
「昇降機?それじゃあ、ここから下に下りられるってことか?」
「ええっと、ちょっと待ってて・・・」
石板のような装置を注意深く見つめるアリサ。その石板には上から0、T、Uと文字が刻まれており、そこから判断したのかここから第二層まで下りられるらしい。四つの空白が存在しているが、現在はロックされているようだ。
「ロック“されている”・・・か。一体誰がそんなことを・・・」
リィンの疑問は尤もだが、型番も製造年月日も記されていないため、アリサについてもそれは理解しかねるそうだ。一つだけ推測できるのは、この石板も旧校舎と同様に中世のものではないかという事だけだった。女性が機械類に詳しいのは少々稀有だと考えながらも、6人で二層へと下りてみることに。下りた先には、先月と同形であるらしい扉があった。
「前後のバランスを考えて今回は、俺も暫くは後方支援(バックアップ)に徹するよ」
「判った。その、指揮も任せていいか?慣れていそうだしさ」
「了解。基本的にはリィンとラウラ、そしてアレスが前衛。俺の銃の性能とリーチが長い槍の特徴を考えて俺とガ
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