第五章 楽園
第8話 肝試し
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か……」
上条「実は幽霊に……」
二人の身体が少しずつ震え出した。要するに怖いのだ。
その時、
ガサッという音がした。
士道「ひっ!」
上条「うぉっ!」
情けない声を出しながら音源の方を向く。
そこには、
凜袮「あ、士道。当麻」
上条「り、凜袮?」
士道「何でこんなところに……」
凜袮「う、うん……士道と当麻がなかなか帰ってこないから探しに来たんだけど……」
上条「そ、そうか……」
優しすぎるだろ。っと上条は思った。
凜袮「でも良かった。歩いてたら変なとこ出ちゃうし、暗いから心細いし……殿町くんは?」
士道「それがさっぱり……」
凜袮「なら私も手伝うよ」
士道「え?みんなのところに戻らなくてもいいのか?」
上条「じゃあ何のためにここまで来たんだよ……」
士道「あ、そっか……じゃあ……」
凜袮「ふふ……お手伝いさせていただきます」
その時、凜袮の頬が少し赤く染まっているのが上条には分かった。
俺たちはまだ探していない方向へと歩き出した。
士道の隣を凜袮が歩き、俺はその後ろを歩いている。
凜袮「ねえ士道」
士道「ん?」
凜袮「今日のプール楽しかったね。十香ちゃん、大はしゃぎしちゃって」
士道「そうだな。ああじゃないと十香らしくないからな」
凜袮「ふふ……そうだね」
お前らは夫婦みたいな会話をするな。と上条は思った。
全く、殿町を探すという目的はどこへ行ったのやら……
その時、
ウウウウゥゥゥ………
何かの鳴き声らしき音がそこに響いた。
上条「(何だ……?)」
士道と凜袮は気づいていないらしい。
そして
?「出たあああぁぁぁぁ!!」
誰かの絶叫が聞こえた。
上条「この声は殿町……!士道、凜袮!早くみんなのところに戻るぞ」
俺たち三人はみんなのいる場所へと走って行った。
そこにはみんなと殿町がいた。
上条「おい!どこに行ってたんだ!?」
殿町「出た出た出た!出たんだよ!」
士道「はあ?まさか『天狗牛』がか?」
殿町「お前、そんなこと言ってるとバチが当たるぞ!とにかく俺は帰る!五河と上条も早く帰れよ!」
殿町は猛スピードで帰っていった。
士道は冗談かと思っていたが、
上条「一方通行」
一方「あァ……」
二人もかなり真剣な表情になっていた。
士道「おいおい。まさか殿町の言うことを信じてるんじゃ……」
二人は答えない。その二人を見てみんなから笑顔が消えた。
一方「佐天はここにいろ」
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