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剣の丘に花は咲く 
第四章 誓約の水精霊
第四話  燃え上がる夜
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かって進むあなたを……

 何度も騙され利用されながらも人を信じるあなたを……

 悲しみと怒りに何度も染まりながらも……笑うことを忘れなかったあなたを……



 そんなあなたを見るたびに……あなたの力になりたくなった……

 いつかあなたが膝をついた時……いつかあなたが涙を零した時……

 あなたを引き上げることが出来るように……流れる涙を拭うことが出来るように……

 強くなりたい……あなたを守れるくらいに……



 いつか……あなたの『夢』が叶うまで……――





  
 ……気付いてはいた……ルイズたちが俺を慕ってくれていたのは……

 ……だが、俺にそんな資格はないと思っていた……数え切れない血と怨嗟に塗れた俺に……

 ……こんな俺を好きだと言ってくれる人が……時折……現れたことはあった……

 その度……いつも、断ろうとした……


 しかし……



 流れ込む……想いが……

 溺れるほどの……溢れるほどの……強さで……






 痛みなら……耐えられる……


 恐怖なら……抗える……


 悪意なら……振り払える……



 だが……



 温もりには……耐えられない……


 優しさには……抗えない…… 


 愛は……振り切れない







 三人が迫ってくる原因は、薬だと分かっている。


 三人は正常な判断が出来ない状態だということも分かってはいる……


 しかし……




 ――好き……好き……心も体も傷付きながらも、諦めないあなたが……好き……――




 ――好きだよ……好きさ……子どもみたいに騙されやすくて、馬鹿で、間抜けで……だけど、正直で……真っ直ぐで……優しいあんたが……好きさ……――




 ――好きです……好きなんです……脆くて……弱い……けど、強くて大きなあなたが……好き、です……――  
   





 この想いは……薬で造られたものではない……


 それも……分かる……



 ……ここで、俺が何人もの女性に手を出している外道だと言ったとしても、止まらないんだろうな……


 伝えれば、言っても聞かなかったという言い訳にしてしまう……


 なら、黙っておこう……



 憎まれることになるかもしれない……


 離れていくかもしれない……


 
 しかし……




 俺は……



 もう……




 この想いに……耐えられない……















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