第六章
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第六章
「いいな、今からだ」
「うん、じゃあ」
そして。
「一、ニの」
「三っ」
二人同時の言葉だった。今度もだ。
「好きだ」
「好きだよ」
まさに二人同時だった。遂にそれぞれ言った。
「交際してくれるか」
「一緒にいてくれる?」
またお互い同時に言った。するとであった。
まず英美がだ。赤く染まった顔で微笑んで返した。
「・・・・・・いいぞ」
「僕でよかったら」
拡樹も同じ表情で返した。
「どうもな。中々言えないでな」
「回り道ばかりしていたけれど」
「全くだ。魔法を掛け合わなくてもよかったのにだ」
「ついついね」
二人はその赤らんだ顔でこんな話をした。
「それでも。これで終わりだな」
「うん、一緒になろうね」
「勿論だ。さて」
「そうだね」
「これからは登下校はな」
「一緒に行き帰りしよう」
こんな話をした。
「まずはそこからだな」
「そうだね。そういうことでね」
こうして二人は一緒になってだ。笑顔で抱き締め合った。青い空の下で。
そんな二人を見守る周りはだ。やっとほっとした顔になった。
「本当になあ」
「ハッピーエンドだけれど」
「ここまでが長かったよなあ」
「全く」
それぞれ扉から離れてこんなことを話すのだった。
「っていうか何でだったんだ?」
「あそこまで長引いたのは」
「二人共本当にさっさと言えばよかったのにな」
「普段の積極さでね」
とにかく普段の二人を考えればありえないまでにもどかしかったのである。
「それがここまで長くなってな」
「何でなのよ」
「ったくよ、何やってたんだよ」
「告白については」
しかしだ。ここでそれぞれこんなことを話す面々がいた。
「これは別なんじゃないか?」
「別物なんでしょ」
「別物?」
「別物って?」
「だから恋のことはだよ」
「他のことは違うのよ」
こう仲間達に話すのだった。
「それでな。二人共ああして戸惑ってな」
「回り道ばかりしていたのよ」
「それでか」
「それでなの」
「ああ、それでだよ」
「だからなのよ」
気付いた面々がまた話す。
「二人共ああいうのはじめてみたいだしな」
「それでなのでしょうね」
「成程、それでか」
「それでなの」
他の面々もこれでわかった。
「そういうことだったんだな」
「恋愛には不慣れだったから」
「恋は魔法だしな」
「それにかかって。戸惑ってね」
そしてこんな風にも言われる。
「二人共拙い魔術師になって」
「で、ああなったのよ」
「魔術師ねえ」
「じゃあ魔法使いと魔女?」
「それか?」
「それなの?」
周りは今の言葉に反応を見せる。
「あの二人って」
「それだったの?」
「それでお互い
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