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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
虚無-ゼロ-part1/目覚めの時
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それはちょいとかすり傷がまだ入った程度で、魔法を単純に撃っただけでは意味がない。援護もままならない現状に、アンリエッタは歯噛みした。




ルイズたちも戦いを見届ける中、タバサはダークフィールドの景色を、そして交戦するウルトラマンたちと怪獣の戦いを観察していた。
「…あの黒いウルトラマンがこの空間を作り上げたことには理由があるはず」
「わかるの?タバサ」
キュルケが尋ねると、タバサは頷く。彼女の予測について、コルベールも納得する。
「なるほど、自分の熟知した縄張りの中ならば、狩る側の野生動物は獲物を襲い、食らうことが容易になる…」
「では、この空間の中では、彼らは不利ということなのか!?」
ギーシュが危機感を覚えて悲鳴を上げる。頭数が敵のほうが多いうえに、地の利を得ているファウストたち敵側に比べ、ゼロたちは圧倒的に不利な状況に立たされていたということに、絶望感さえ覚える。
「なんとか援護しないといけないのでは!?」
ギーシュが援護を提案するが、生徒を危険にさらすことだけは避けたいコルベールから反対される。
「だめだ!危険すぎる!」
「だったらミスタ・コルベールはここで指をくわえてみていればいいわ。タバサ、行きましょ」
キュルケはいまだに、弱腰にしか見えないコルベールを、さめきった眼で睨んで黙らせた。こんな弱気な男がよく教師をやっていけるものだ、と軽蔑した。聞いていると優しい人間のようにも聞こえるが、この状況に置かれてなお生徒の身の安全にかこつけて命を惜しんでいるようにも見えて、キュルケの情熱の心を冷ましてしまう。
「言い争ってる場合じゃない。でも、逃げ場なんてないから…私も行く」
タバサもまた戦う意思を抱き、指笛を吹く。呼びかけに答えてシルフィードが彼女らのもとに飛来、キュルケ・タバサ・ギーシュを乗せて空を飛んで行ってしまった。たとえ何の結果を出せなくても何もしないよりはましだと信じているのだから。
「…」
コルベールの心に、キュルケの辛辣な言葉が突き刺さった。指をくわえてみていればいい。きっと彼女は自分のことを弱い男と蔑んだことだろう。でも…。どうしても自分には許せないことなのだ。まだ若い人間が、危険に身をさらすことが。
「ミスタ…」
ルイズとシエスタは、俯くコルベールを憂い顔で見つめるばかり。
しかし、トリステイン軍の援護もままならない。軍には彼女たちよりもずっとすぐれたメイジたちが集まっているのだ。たとえおまけつきでキュルケたちが援護しても同じだろう。
このままでは、あのウルトラ戦士たちも敗れ去ってしまう。
また、こうして自分は何もできないままなのか?幼い頃から魔法が使えない、学院に入学してからも変わらず、『ゼロ』と馬鹿にされ続けて、それは今も変わらず。それと引き換え、自分が召喚した使い魔の、間抜けさ
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