虚無-ゼロ-part1/目覚めの時
[7/17]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
を構えながら、ジャンボットは大回転しながら斧を振り上げ、ゼロにバトルアックスをたたきつけた。
『必殺…風車…』
斧の刃がテクターギアの胸部に直撃した途端、ゼロの体から火花が散った。
『「ウアアアアアアアアアア!!!」』
レオのほうも手を焼いていた。ダークフィールド内ということでパワーが落ちてしまって、思っているほど自分の力を発揮しきれていない。
「ハ!ヌウン!!」
それでも、レオはサドラに向けて、得意の宇宙憲法で鍛え上げたコンボを与えて怯ませる。蹴りとパンチの連撃を与えられ、サドラは昏倒する。腕を伸縮自在に伸ばし、レオをとらえようとしたが、レオはその腕をつかみ、逆に引っ張ってみぞおちに強烈なひざけりを食らわせ吹っ飛ばす。サドラ一匹程度の相手なら、レオはこれまで何度も相手をしてきた。今更この程度の怪獣に負けるような未熟者ではない。
しかし、サドラにはある特殊な能力があった。サドラの体中から汗のように、奇妙な分泌液が流れ落ち始めた。それは煙のように白い霧を吹き始めサドラの体を包み込んでいく。サドラの体だけではなく、さらにレオの周囲さえも白い濃霧に包み込ませた。だが、この戦法も今更だったかもしれない。
レオは以前、分身能力を持つ『分身宇宙人フリップ星人』との戦いで、分身を無視し本体の星人のみを見極めるために、目を閉じたままソフトボールを避けたりキャッチするという荒い修行をしたことがあった。その結果、本物のフリップ星人を見極め見事に撃破したのである。
サドラのように、周囲の視界を閉ざす手段などで負けはしない。サドラの位置はすぐに掴んだ。自分からちょうど六時の方角…つまり真後ろだ。振り向きざまに、レオは足にエネルギーを充填し、サドラに一気にとどめを刺そうとした時だった。
「ヌオオ!!?」
シルバーブルーメがレオの体中に触手を絡ませてきた。円盤生物シルバーブルーメは、レーダーにもその存在を探知されることはないうえ伸縮自在。かつてMACがシルバーブルーメの強襲を許し、全滅した所以だった。たとえ目に見えない、気配だけでつかむことができたとしても、気配さえも察知させないシルバーブルーメに濃霧は、完全に自分の存在さえも消すことができる二重のコンボ。
(自分ではなく、シルバーブルーメを隠すために…この濃霧を…!)
シルバーブルーメの触手だけでなく、先ほどの意趣返しのつもりかサドラも両腕を伸ばして、自慢のハサミでレオの首や肩をつかんで彼の自由を奪い去った。真っ黄色に染まる体液で汚されながらも、レオは自分を食らおうと口を開いてきたシルバーブルーメを引きはがそうと必死になった。
しかし、ネクサスは一人だけ違和感を覚えた。このダークフィールドに入ってから、自分の体に変な違和感が…いや、違う。ゼロとレオと違い、逆に違和感がないことが逆に奇妙だった
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ