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オズのムシノスケ
第二幕その七
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「それでもね」
「それなりに強くもあるよね」
「けれどやっぱりね」
「野球やバスケの方が人気があるんだね」
「国技だしね」
 アメリカの、です。
「だからそういうスポーツは別格だよ」
「オズの国でもそうなんだよ」
 教授はまたカルロスにお話しました。
「野球やバスケの方がずっと人気があるよ」
「そうですか」
「グラウンドはあるよ」
「あっ、あるんですね」
「それでも皆他のスポーツをするから」
「誰も使ってないんですか?」
「今誰か使ってたのかな」
 どうかというのです、大学のサッカーのグラウンドは。
「一体」
「誰もいないんじゃ?」
「そうじゃないんですか?」
 学生さん達が教授に答えてきました。
「多分ですけれど」
「それでも」
「そうだね、野球場やバスケのコートはね」
「はい、沢山います」
「いつも通り」
「あとテニスも」
 こちらのコートもでした。
「人気があるけれどね」
「サッカーはといいますと」
「どうしても」
「そうだね、どうだったのかな」
 首を傾げさせて言う教授でした、ですが。
 カルロスは教授にです、こう言うのでした。
「とりあえず今からサッカーのグラウンドに行っていいですか?」
「いいとも」
 教授はカルロスのお願いにあっさりと答えました。
「君達が使いたいのならね」
「はい、それじゃあ」
「ここから少し右に行った場所にあるよ」
 教授はグラウンドの場所も教えました。
「そこにね」
「わかりました、じゃあ行ってみます」
「それじゃあね」
 ドロシーもです、カルロスと教授のお話が終わってからでした。皆にこう言いました。
「皆でサッカーのグラウンドに行きましょう」
「はい、今から」
「行きましょう」
 恵梨香達も答えてでした、そのうえで。
 皆でサッカーのグラウンドに向かいました、その間です。
 野球場を見ました、そこでは二つのチームが楽しくプレイしていました。神宝はピッチャーが投げるのを見て言いました。
「あの人のカーブいいね」
「スローカーブかな」
 カルロスもそのカーブを見て言います。
「あのカーブは」
「うん、あのカーブにね」
「ストレートもいいね」
「緩急があるとね」
「そうそう、それだけでね」
「違うよね」
「速いだけでもね」
 速球を投げるだけでもというのです。
「限界があるからね」
「けれどスローボールもあったら」
「うん、速いボールと遅いボールがあったら」
「相手が困惑するからね」
「いいんだよね」
「昔はね」
 ドロシーは彼女がカンサスにいた頃のアメリカの野球のことをお話します、もうかなり昔の頃のことです。
「速いだけだったのよ」
「ピッチャーもですか」
「それだけでいいって思われた
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