第一章
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出て来ておいでよブラバッキー
不意にだ、小笠原高校一年一組に転校生が来ることがわかった。担任の上田先生が朝のホームルームの時に生徒達に言ったのだ。
「皆仲良くするようにな」
「それでその転校生ってのは」
「どんな子なんですか?」
生徒達は先生に問うた、だが。
先生は生徒達にだ、複雑な顔でこう言った。
「少しな」
「少し?」
「少しっていうと?」
「まあ仲良くしてくれ」
これが先生の返事だった。
「そういうことでな」
「まあって」
「何かるんですか?転校生に」
「あの、それで」
「一体」
「入ってくれ」
いささか強引にだ、先生はクラスの扉の方に顔を向けて言った。すると。
そこから入って来たのはだ、誰もが想像していない人物だった。
背は低い、一メートルあるかないかだ。そして。
頭がかなり大きかった、それに反比例して身体は異様に細い。しかも灰色であり体毛は髪の毛も含め一本もない。
目は吊り目でやけに大きい、口と鼻は殆ど目立たない。耳もあるかどうかだ。
その転校生を見てだ、皆仰天して言った。
「リ、リトルグレイ!?」
「ま、まさか!」
「実在したの!?」
「っていうか何でここに!?」
まさかの転校生だった、それで先生も言うのだった。
「アメリカから来たそうだ」
「アメリカって基地ですか?」
「あの噂の」
「そうですよね」
「そこまでは知らない」
生徒達から目を逸らしてだ、先生は答えた。
「しかしアメリカからの龍が規制だ」
「私アメリカ人」
機械的なかん高い声でだ、転校生も言ってきた。
「チャーリー=ハマ。宜シク」
「何だよ、その名前」
「何処の芸人さんなのよ」
「その名前はないだろ」
「幾ら何でも」
「気ニシナイデ」
実に不自然な喋り方で言うのだった。
「私アメリカ人」
「だからアメリカの何処から来たんだよ!」
「先生さっき基地って言ったわよ!」
「本当の出身地は違うだろ!」
「何処の星から来たのよ!」
「スモーク星」
転校生はぽつりと答えた。
「イイトコロ。円盤ニ乗ッテ来タ」
「やっぱり地球人じゃねえじゃねえか!」
「何処にあるのよその星!」
「っていうか御前何しに地球に来た!」
「侵略でしょ侵略!」
「キバヤシさん呼べ!」
最早大混乱だった、しかし。
転校生チャーリーは落ち着いてだ、彼等に言った。
「私侵略ニ来イテイナイ」
「その証拠は!?」
「証拠は何?」
「侵略者が自分から侵略しに来たとか言うか」
「そんな侵略者いないわよ」
このことは地球でも同じである。
「地球を侵略してどうするつもりだ」
「地球人を奴隷にするつもり?」
「それなら抵抗するぞ!」
「
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