第1部 ゼロの使い魔
第4章 伝説
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「言い忘れたな。僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュだ。従って、青銅のゴーレム『ワルキューレ』がお相手するよ」
女戦士の形をしたゴーレムが、ウルキオラに向かって突進してきた。
その右の拳が、ウルキオラの腹にあたる。
しかし、ゴーレムの腕の方が砕けた。
「なっ!?」
ギーシュは驚いた顔で言った。
周りの生徒も驚いたのか、ざわざわし始めた。
当たり前である。
金属と生身の体がぶつかり合って、金属の方が砕けたのだ。驚くのも当然である。
「どうした?もう終わりか?」
ウルキオラが呆れた顔で答える。
「調子にのるなよ!使い魔が!」
ウルキオラに、五体のワルキューレが襲いかかる。
しかし、殴りかかったすべてのワルキューレが砕け散った。
「この程度の攻撃では、俺の鋼皮はやぶれん」
「な、なぜ攻撃が通じない!」
ギーシュは息を切らしながら言った。
周りの生徒もあいつの体はどーなってんだ!といっている。
「今のが…全力か?」
ギーシュは驚いた顔でウルキオラを見る。
「く、くそ!」
ギーシュは何もしてこない。
「どうやらそうらしいな…」
ウルキオラは肩に付いた汚れを払いながら言った。
そして、その手をギーシュに向け、人差し指を立てる。
「残念だ…」
ウルキオラの人差し指に虚閃が溜まる。
ギーシュは遠距離攻撃が来ると思い、フライを使おうとするが、魔力切れで発動できない。
しかたなく、残った一体のゴーレムを前に移動させ、盾にする。
ウルキオラの人差し指から虚閃が放たれる。
それは、ギーシュを飲み込み、魔法学院を取り囲む石でできた壁を突き破り、200mほど先の地面で爆発した。
その刹那、空に向かって地面から五十メイル程の炎が上がる。
「ギ、ギーシュ!」
決闘を見に来ていたモンモランシーが叫ぶ。
「な、なんだよ…あれ…」
一人の男子生徒が言う。
「な、なんて威力なの…」
一人の女子生徒が言う。
周りの生徒はウルキオラが放った攻撃の威力に驚いていた。
やがて、煙が晴れ、ギーシュの姿が見え始める。
ウルキオラはギーシュの方に向かって歩き始めた。
ギーシュは地面に膝と両手を付き、息を荒げていた。
ギーシュの前に居たはずのワルキューレはドロドロに溶け、見る影もない。
ギーシュ自身も体の至る所に傷を負っていた。
二百メイル程離れた場所には、今だ炎が上がっている。
ウルキオラの虚閃の威力を物語っていた。
ウルキオラはギーシュに向かって歩きながら言った。
「虚閃を防御する瞬間、ワルキューレを盾に使ったか…
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