第1部 ゼロの使い魔
第4章 伝説
[6/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
た笑った。
「よかろう。君に礼儀を教えてやろう。ちょうどいい腹ごなしだ。君に決闘を申し込む」
ギーシュは立ち上がった。
「いいだろう」
ウルキオラは言った。
ギーシュは、くるりと体を翻した。
「どこへ行く?」
「ヴェストリの広場でまっている」
ギーシュの友人たちが、ワクワクした顔で立ち上がり、ギーシュの後を追った。
一人はテーブルに残った。
ウルキオラを逃さないために、見張るつもりのようだ。
一人の女がブルブル震えながら、ウルキオラを見つめている。
先ほど貴族にケーキを配っていた女だ。
ウルキオラは尋ねた。
「どうした?」
「あ、あなた、殺されちゃう……」
「なんだと?」
「貴族を本気で怒らせたら……」
女はだーっと走って逃げてしまった。
(なんだ?あの女は…)
後ろからルイズが駆け寄ってきた。
「あんた!何してんのよ!見てたわよ!」
「どうした?」
「どうしたじゃないわよ!なに勝手に決闘なんか約束してんのよ!」
「お前には関係ない」
ウルキオラはそう言うとギーシュの友人のそばに行った。
「案内しろ」
「こっちだ」
「ああもう!ほんとに!使い魔のくせに勝手なことばっかりするんだから!」
ルイズは、ウルキオラの後を追いかけた。
ヴェストリの広場は、魔法学院の敷地内、『風』と『火』の塔の間にある、中庭である。
西側にある広場なので、そこは日中でも日があまり差さない。
決闘にはうってつけの場所である。
噂を聞きつけた生徒たちで、広場は溢れかえっていた。
「諸君!決闘だ!」
ギーシュが薔薇の造花を掲げた。
うおーっ!と歓声が巻き起こる。
「ギーシュが決闘するぞ!相手はルイズの使い魔だ!」
(耳障りな連中だ…)
ギーシュは腕を振って、歓声にこたえている。
それから、ようやく存在に気づいたという風に、ウルキオラの方を向いた。
ウルキオラとギーシュは、広場の真ん中に立ち、お互い見つめあった。
「とりあえず、逃げずに来たことは、褒めてやろうじゃないか」
ギーシュは、薔薇の花を弄りながら、歌うように言った。
「さてと、では始めるか」
ギーシュが言った。
そして、ギーシュは薔薇の花を振った。
花びらが一枚、宙に舞ったかと思うと、甲冑を着た女戦士の形をした、人形になった。
身長は人間と同じぐらいだが、硬い金属製のようだ。
淡い陽光を受けて、その肌……、甲冑が煌めいた。
「ほう?」
「僕はメイジだ。だから魔法で戦う。よもや文句はあるまいね?」
「ああ」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ