第三十三話 レベルアッパーというもの
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「ねえねえ、神代さん。今日はどうする……ってか、神代さんを久々に見た気がするんだけど……」
「そう言われてみれば、最近はずっと騎龍だった気がするわね。今日はたまたま気が向いたから姫羅になってるだけなんだけど」
放課後になって佐天さんから声をかけられるが、佐天さんの言うように今の俺は姫羅である。ここしばらくはずっと騎龍だったので、久しぶりに姫羅になってみたのだ。
「そうなんだー、それで今日は何かしないの? 初春が仕事で忙しくって遊べないんだよねー」
「うーん、特に何かをする予定とかはないなぁ」
ここ最近は爆弾事件が多発しており、初春さんや白井さんがその関連でかなり忙しそうなので、佐天さんもかなり暇をもてあましているのだろう。
「そっかぁ、どーしよっかなー」
「勉強でもしたら?」
「えーっ!」
「えーっ、じゃない! まったく……」
結局、特にすることもないまま俺は佐天さんと一緒に学校を後にしたのである。
「おーい、佐天さーん! 神代さーん!」
佐天さんと二人、何となくぶらぶらと道を歩いていると、道路の向こう側から声が聞こえた。
「あ、御坂さん」
「ほんとだ」
いち早く声のした方を見た佐天さんがつぶやいて、俺も声のした方を見てみると向こう側の歩道で御坂さんが手を振っていた。
御坂さんも合流し、移動販売が居るちょっとした広場で飲み物を確保した後、噴水の近くにある木陰のテーブル席へ座る。
「黒子と一緒で初春さんも大変でしょう?」
「みたいですねー。今日も買い物誘ったんですけど、断られちゃって」
御坂さんの言葉を皮切りに佐天さんが愚痴をこぼす。
「それで代わりにウチが捕まったのよねー」
「まー、爆弾魔が捕まるまでは仕方がないか」
取り敢えず俺も会話に入りつつ様子をうかがう。そろそろセブンスミスト爆破事件が起こるはずなので、みんなで買い物に行こうみたいな会話になるのだろう。
「はぁ」
「ん?」
佐天さんが急に大きなため息をついたので、御坂さんも少し気になったようだ。
「なーんかちょっと、なんだかなぁーって感じなんですよねー」
「へ?」
佐天さんはダルそうにそう言うとテーブルに突っ伏した。どうやらセブンスミストに行く前にレベルアッパー関連の話が来るようだ。
「いやぁ、何て言うか……初春や白井さんはジャッジメント頑張ってて、御坂さんは凄い人だし、神代さんもかなり特殊じゃないですか。それに比べて私はなー、みたいな……」
「うん……」
佐天さんの多少自己嫌悪っぽい話を聞いても、御坂さんから変に慰めるような言葉が出てこないのは、以前俺が釘を刺しておいたからだろう。
「
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ