第三十三話 レベルアッパーというもの
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あっ、いや、えーっと、そんな重い意味じゃないんです。ただ、私も能力があったら毎日が楽しいんじゃないかなーって」
俺も御坂さんも相づち以外には言葉を発しなかったので、それに気づいた佐天さんが慌てたように取り繕う。
「あーあ、レベルアッパーがあればレベル5も夢じゃないのになー」
「レベルアッパー?」
やはりレベルアッパーの話になるようである。
「前に話した都市伝説ですよ。能力のレベルを簡単に引き上げてくれる道具なんですって」
「へぇー」
佐天さんの説明に御坂さんが相づちを打つ。前に木山先生の前で俺が言った話とは結びついていないようだ。
「脱ぎ女が居るぐらいだからひょっとしてー、なんて思ってみたんですけど、まーあるわけないですよねー、あははは……」
「それがあるのよねぇ」
「え?」
「…………あ!」
佐天さんがカップの中に残った氷をガリガリとかじりながら言った言葉に俺が返すと、佐天さんが目を丸くして俺の方を見た。御坂さんの方は少し遅れて俺の言いたいことに気づいたようである。
「御坂さんは知ってるよね? 木山先生の論文を読みあさった理由のやつ」
「あ……あれがレベルアッパーってやつなの?」
「レベルアッパーって本当にあるんですかっ!?」
俺が音響結界を張りつつ御坂さんに振ってみると、御坂さんはちゃんと覚えていたようだ。そして、佐天さんの方は都市伝説だと思っていたレベルアッパーの存在に、かなり興奮状態で食いついてきた。
「ウチが行った施設ではレベルアッパーって言われてた。能力の強度を上げるんじゃなくて演算速度を上げるものだから、元々能力強度が高くない人はあまり意味がないかもしれないけどね」
「なるほどね」
「そうだったんだぁ」
俺の説明に御坂さんはうなずき、佐天さんは微妙な表情だった。恐らく「元々能力強度が高くない人はあまり意味がないかもしれない」という部分が引っかかったのだろう。
「でも、それってその……神代さんも使ったの?」
「うん……って言うか、研究所に行ったとき知らない内に使われてた」
遠慮がちに佐天さんが聞いてくるので、俺は至って普通に答えてみた。内容は以前木山先生にしゃべったのと一緒である。
「それで……レベルは……」
「上がってないよ。ウチは元からレベル4判定だったからね」
少し言いづらそうに聞いてくる佐天さんに答える。
「そっかぁ……私が使ってレベル上がるのかなぁ……」
「上がる可能性はあると思うけど、上がったとしてもどの位の時間上げてられるかは分からないよ」
やはり佐天さんの能力への憧れは大きいのだろう、自分にも効果が出るのかを聞いてくる佐天さんに答えた。確かア
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