暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos50-A束の間の奇跡/家族は巡り合う〜Testarossa Family〜
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きゃいけない」んだけど、俺とリリィだけで調べて、上手く帰る方法が判ったとしても、「俺、転送魔法使えないんだよな・・・」俺たちだけで成し得るのか不安でしょうがない。
「でも、ちゃんと帰らないとダメだよね」
「もちろん! 楽しいばかりじゃない、大変なこともあるけど、あの今が俺は気に入ってる。だから――」
≪警告。脅威判定を検知。戦闘中と思われ、徐々にこちらへ接近して来ます≫
側に浮いていた“銀十字の書”から警告。戦闘中ということは、きっと八神司令たちだ。下手に戦闘に巻き込まれないために「リリィ!」とリアクトする。リリィ、リリィ・シュトロゼック。リアクターっていう、俺がディバイダー(俺の持つ銃のことだ)で暴走しないように助けてくれる大切なパートナーだ。
「一応、誰が戦っているのか確認してみよう」
もしかしたら、俺たちをこの時代へ飛ばした張本人かも知れない。それを確認するためにも。木の上に跳び上がって、こっちに向かって来る誰かを視認する。1人は女の人だ。帽子を被った、スタイルの良いお姉さん。その人はステッキのようなデバイスで、『トーマのそっくりさん!?』俺?と戦っていた。
『トーマ!』
「ああ、判ってる! 行こう、助けないと!」
空戦へと移行する。俺に気付いたその女の人が「同じ格好! 新手ですか!?」って俺へとステッキの先端を向けてきた。俺は慌てて「違います、違います! どっちかって言うと――」こっちに襲い掛かって来ようとしていたもう1人の俺へ斬撃――クリムゾンスラッシュを放って迎撃。
「『味方です!!』」
「味方・・・? それに声が2人分・・・!」
その人の疑問に答えたいけど「とりあえずここは俺たちに任せて下がっていてください!」もう1人の俺をどうにかしないと。俺の偽者は「脅威判定検知。殲滅する」なんていうか「根暗!?」だった。
「なぁリリィ、俺ってモノマネされるとあんな暗い感じなのかな・・・?」
『そ、そんなことないよ! トーマは明るくて面白いし!・・・たぶん、未来の別の可能性・・・』
大剣――ディバイダーを振るってきた偽者の斬撃をひょいっと躱しながら「別の可能性って・・・?」負けじとディバイダーを振るう。俺の疑問に『たとえば、銀十字の闇に呑み込まれたうえで生き残っちゃったら、みたいな』リリィはそう答えた。スゥちゃん達に救われることがなかったかもしれない未来の俺。それがこんな根暗になるのか。俺は運が良かったんだな。改めて俺とリリィを救ってくれたスゥちゃん達に感謝する。
「銀十字」
偽者は“銀十字”のページで、俺の繰り出した斬撃を防いだ。すかさず二撃目の斬撃を叩き込む。ページに防がれる斬撃。だけどこれで終わりじゃない。こっちも「銀十字!」を使わせてもらう。
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