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相棒は妹
志乃「番外編って言っても別に大したことないけどね」
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そうなる。本当に悪かった、伊月」

 「いや、事実が掴めただけ良かった。やった事は大人として幼稚だけど」

 申し訳ないとばかりに頭を下げる父さんに、こっちまで失礼な事をしている気分になって手で制する。けれどまだ判明していない事が一つある。

 「父さんさ、いつ俺の部屋に入ったんだよ?」

 「お前が寝てる時」

 ……物音でちゃんと目を覚ませよ俺。もしもの時危ないだろうが。

 一つの疑問が解消された。だが、もう一つの方が自分の中ではかなり重要だった。

 「じゃあ、元からDVDの在り処知ってたの?」

 「え?ああ、それは――」

 その次に父さんから発せられた真実に、俺は一瞬頭が真っ白になった。何でそこで奴が関わってくるんだ?真実の中に現れた、もう一人の共犯者。ここでその名前を聞く事になるなんて考えもしなかった。

 全てを聞き終えた俺は父さんを部屋から解放し、少し椅子に座って自身を落ち着かせ、それからとある場所へと足を向けた。

 この問題、正直俺は迷宮入りも覚悟してた。志乃が犯人じゃなかった辺りで、その予想はさらに膨れ上がった。でもこうして俺は犯人を知っている。これから向かうのは犯人の部屋だ。奴にはいろいろ問い質せねばならない事がある。怒ってもいい筈だ。

*****
 「……あの変態クソ親父、もう全部喋ったの。いくらなんでも早すぎる」

 ドアの前で、体操服姿でおさげの女が苛立たしげに怨嗟の言葉を漏らした。変態クソ親父って……俺はともかく、女が言うような単語じゃないだろ。

 じっと見ているとそいつは俺を睨み、けれどまた目を逸らしてボソッと話しかけてきた。

 「で、何か用?」

 「何か用、じゃねぇ。今自分で分かってただろ」

 俺は目の前にいる普通じゃない恰好の妹に低めの声で文句を言った。妹――志乃はフンと鼻を鳴らして、自分から本題に持っていった。

 「そう。私が兄貴のDVDの隠し場所をクズ親父に教えたの。お母さんも場所知ってたけど、キモクソ親父が言えるわけないし。そこで私のところに来たってわけ」

 「やってる事がクソなのに、お前はどうしてそんなに誇らしげなんだ……っていうか何で場所知ってんだよ」

 「お母さんから聞いた」

 人に教えるんじゃねえ!そんな俺の気持ちを読み取ってか、志乃は少しだけ口角を上げながらこう言った。

 「スリルは味わえた?」

 「……おかげさまでね」

 皮肉に皮肉で返すと、志乃は無表情の瞳をこちらに向け、次に部屋の中へ戻って行った。何事かと眺めていると、片手に薄っぺらい直方体の物を持ってこちらにやって来た。目が悪いのでちゃんと識別出来なかったが、志乃が俺のいる部屋の入口に近付くにつれて、その正体が刻々と浮かび上
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