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相棒は妹
志乃「番外編って言っても別に大したことないけどね」
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は一度折れてしまったが、まだ若いんだ」

 「とりあえず二つともあり得ないってのは確定事項なんだよ。それとアンタに悟られても心に響かねぇ」

 「え?そうなの?俺、一応親なんだけどなぁ」

 「え?そうなの?」

 「む、息子にオウム返しされるとは……!しかもどこかコケにされてる気が」

 「まさにその通りだよ、父さん」

 「その『父さん』って呼び方が余計に嫌味だ!」

 そのツッコみ、やっぱり俺は父さんの息子みたいだ。なんだか不快になっている自分がちょっと笑える。

 そんな俺が父さんと相対している場所は、先程伝えていた通り俺の部屋だ。六畳程度の部屋はこれでもコンパクトに纏めているつもりだ。俺の性分から物が雑に散らばっている事も無い。ああ、でも机付近はかなり汚い。消しカスが特定の位置に溜まってんのはちゃんと処理しなきゃならんな。

 そして今、俺は椅子に座って目の前で猫背のまま突っ立っている父さんと会話している。本来なら立場は逆かもしれないが、当の本人何も言わない。この人、やっぱり家族の中で一番立場が低いんだな。なんかゴメン。

 「話戻すが、お前何で俺を呼び出したんだ?しかも何で俺が教師に説教されてるようなポジションな訳だその辺詳しく教えてくれ」

 「父さんにはそれがお似合いだからだよ」

 「ちっとも嬉しくない!というか明日早いんだよ、ちゃっちゃと済ませてくれないか」

 その言葉で俺は理不尽だがカチンときた。まだ犯人が父さんと断定したわけじゃない。それでも母さんやばあちゃん、志乃が犯人ではない以上、俺の中である程度犯人扱いされているのは無理ない事だった。情状酌量の余地はないと冷静に判断する。
 そのため今の発言は俺にとって腹立たしく聞こえてしまい、思わず声のボリュームが上がってしまった。

 「ちゃっちゃとじゃないんだよクソ野郎。それはこっちのセリフだっての」

 「クソ野郎とはなんだクソ野郎とは!それが親に対する……」

 「ゴメンそれはテンプレすぎてつまらないからちゃっちゃと終わらせよう」

 「ぐぅ……!」

 「単刀直入に言うけどさ、父さん俺のエロDVDパクッたっしょ」

 「な!?」

 俺が言葉と言葉の間に隙を作る事無く面と向かって父さんに問う。すると父さんは口を開けた間抜けな顔で驚いた。これは素で驚いてんのか?いや違う。何故なら、

 「父さん、何でそんなに汗掻いてんの?今日はそんなに暑くないけど?」

 「い、いや、父さんは暑がりなんだよ、そうだそうに違いない」

 自分に言い聞かせてんじゃねえか。もはや自分で自分を犯人だって言ってるようなもんだ。あまりにもお粗末な展開に、腹底で煮え滾っていた苛立ちが一気に霧散した。「はぁ」と呆れを含めた
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