暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン ≪黒死病の叙事詩≫
≪アインクラッド篇≫
第一層 偏屈な強さ
ソードアートの登竜門 その伍
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変えようと動いているんだ。アルゴは危険を冒してまでもβの情報を公開した。ディアベルもβテスターとの融和の道を示した。必ず、必ず近い未来に、このプレイヤー間の問題は解決されるはずだ。

 アルゴの攻略本により推敲されたディアベルの報告が終わったところで、インディゴが大きな欠伸をしたところで、今は懐かしき質問にディアベルは答えてくれた。サブリーダーの件だ。

「それで、昨日のスバルさんの案件……サブリーダーのことだけど、スバルさんの言う通り、オレの仲間のリンドをレイドのサブリーダーにしたいと思う。と言っても、オレの知り合いだけで責任職を占めるのはやっぱり良くないと思うから、参謀職、というか御意見番を置きたいと思う」

 そう言うと青色の騎士(ナイト)はエギルを見て俺を見て、最後にキバオウを見た。――いやいや待て待てディアベル、君それ収束できるのか?
 ディアベルは俺の予想を裏切らなかった。悪い意味で。

「御意見番としてエギルさん、スバルさん、キバオウさんを推薦したいと思う。勿論、御意見番以外の人も発言をしていいよ。むしろオレとしてはそっちを優先したい。まぁ、この御意見番という職はあくまで身内で固めたくない、っていうことだから深く考えないで欲しい!」

 遠回しに、名誉職しませんか、と誘われているのか。それならば俺は構わない。実際、平戦闘員がリーダーに意見を言うのは度胸がいる。直接リーダーに文句を言うことに対し渋るプレイヤーは少なからずいるだろう。俺達こと御意見番はその間のワンクッションとして振る舞えばよいということだ。ならばむしろ、キバオウの思想を変えβ問題の解決の取っ掛かりにさせるチャンスともいえよう。

 エギルと俺とキバオウは全員この(ロール)を請け(たま)わった。その後、リンドを含めお互い簡素な自己紹介した。彼らの性格を吟味するなら、エギルは頼れる兄貴分といった印象、キバオウは自己と灰汁(アク)が強い印象、リンドは……特に印象はない、個性がないというべきか。こう言うのもなんだが、御意見番を設置するのも頷ける。

 主要人物に纏めたところでちょうど、実は続いていた騎士様の言葉により俺は個人的な深刻事態に追い込まれる。

「――それじゃ、早速だけど、これから実際の攻略会議を始めたいと思う! 何はともあれレイドの役割分担もできないからね。みんな、まずは仲間や近くにいる人と、パーティーを組んでみてくれ!」

 そんな言葉に俺は反射的にううっという音になっていない声を出す。見れば周囲には既に六人パーティーがちらほら出来ている。当然だ。元々フルパーティーで参加していた人達がほとんどなのだろう。つまり、ソロであった俺は孤立しそう。

 最悪の事態、ガチぼっちからの余り枠に押し込められる、は役職持ちとして絶対に避けたい。そ
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