第1部 ゼロの使い魔
第3章 ゼロのルイズ
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。
それをかわす。
「かわすなー!」
「戦闘本能だ」
ルイズは当たらないと思うと早足で歩き出す。
ウルキオラもその後ろについて歩き始めた。
トリステイン魔法学院の食堂は、学園の敷地内で一番背の高い、真ん中の本塔のなかにあった。
食堂の中にはやたらと長いテーブルが三つ、並んでいる。
百人は優に座れるだろう。
二年生のルイズたちのテーブルは、真ん中だった。
どうやらマントの色は学年で決まるらしい。
食堂の正面に向かって左隣のテーブルに並んだ、ちょっと大人びた感じのメイジたちは、全員紫色のマントをつけていた。
三年生だろうか。
右隣のテーブルのメイジたちは、茶色のマントを身につけている。
おそらく一年生だろう。
朝食、昼食、夕食と、学院の中にいるすべてのメイジたち……、生徒も先生もひっくるめて……、ここで食事を取るらしい。
一階上にロフトの中階があった。
先生メイジたちが、そこで歓談に興じているのが見えた。
すべてのテーブルに豪華な飾り付けがなされている。
いくつものローソクが立てられ、花が飾られ、フルーツの盛られた籠がのっている。
ウルキオラがそれを見て、考え事をしている。
(随分と絢爛だな…)
ルイズはそれに気づくと、得意げに指を立て、言った。
鳶色の目が、イタズラっぽく輝いた。
「トリステイン魔法学院で教えるのは、魔法だけじゃないのよ」
「ほう」
「メイジはほぼ全員が貴族なの。『貴族は魔法をもってしてその精神となす』のモットーのもと、貴族たるべき教育を、存分に受けるのよ。だから食堂も、貴族の食卓にふさわしいものでなければならないのよ」
「なるほどな」
「平民はこの『アルヴィーズの食堂』には一生入れないのよ」
「アルヴィーズとはなんだ?」
「小人の名前よ。周りに像がたくさん並んでいるでしょう」
言葉のとおり、壁際には精巧な小人の彫像が並んでいる。
「よくできている。動くのか?」
「よく知ってるわね」
「霊圧を感じた」
「霊圧?」
「この世界で言えば魔力のようなものだ」
「ふーん…まあ、いいわ。椅子を引いて」
腕を組んでルイズが言った。
首をくいっとかしげると、桃色がかったブロンドの長い髪が揺れた。
ウルキオラはルイズのために椅子を引いてやった。
ルイズは「ありがとう」と言って腰掛ける。
ウルキオラはルイズの横に立つ。
「豪勢だな」
でかい鳥のローストやワイン、鱒の形をしたパイなどが並んでいる。
「当たり前よ、このくらい」
「そうか」
「「偉大なる始祖ブ
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