第1部 ゼロの使い魔
第3章 ゼロのルイズ
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誰かさんと違って、一発で呪文成功よ」
「あっそ」
「フレイム〜」
キュルケは、勝ち誇った声で使い魔を呼んだ。
キュルケの部屋からのっそりと、真っ赤で大きなトカゲが現れた。
むんとした熱気が、ウルキオラを襲う。
「ほう?」
ウルキオラは興味を持った。
キュルケが笑う。
「おっほっほ!もしかして、貴方、この火トカゲを見るのは初めて?」
「ああ」
大きさは虎ほどあるだろうか。
尻尾が燃え盛る炎で出来ていた。
チロチロと口から火炎がほとばしる。
(虚程度の実力はあるようだな)
「これって、サラマンダー?」
ルイズは確認するように尋ねた。
「そうよー。火トカゲよー。みて?この尻尾。ここまで鮮やかで大きい炎の尻尾は、間違いなく火竜山脈のサラマンダーよ?ブランドものよー。好事家に見せたら値段なんてつかないわよ?」
「そりゃよかったわね」
苦々しい声でルイズが言った。
「素敵でしょ?私の属性にぴったり」
「あんた『火』属性だもんね」
「ええ、微熱のキュルケですもの。ささやかに燃える情熱は微熱。でも、男の子はそれでイチコロなのですわ。貴方と違ってね?」
キュルケは得意げに胸を張った。
ルイズも負けじと胸を張り返すが、ボリュームが違いすぎる。
ルイズはそれでもぐっとキュルケを睨みつけた。
かなりの負けず嫌いなようだ。
「あんたみたいにいちいち色気振りまくほど、暇じゃないだけよ」
キュルケはにっこりと笑った。
余裕の態度だった。
それからウルキオラを見つめる。
「あなた、お名前は?」
「ウルキオラ…ウルキオラ・シファー」
「私はキュルケ。よろしくね」
キュルケは握手を求めてきた。
ウルキオラはこれも心というものか、と思いながらそれに答える。
「じゃあ、お先に失礼」
そう言うと、炎のような赤髪をかきあげ、颯爽とキュルケは去っていった。
ちょこちょこと、大柄な体に似合わない可愛い動きで、サラマンダーがその後を追う。
キュルケがいなくなると、ルイズは拳を握りしめた。
「くやしー!なんなのあの女!」
ルイズは悔しそうに言った。
「……ところで、あいつがゼロのルイズと言っていたが、『ゼロ』とはなんだ?苗字か?」
「違うわよ!わたしの名前はルイズ・ド・ラ・ヴァリエール。ゼロはただのあだ名よ」
「あだ名か…あいつが微熱なのはわかるが、お前はなぜゼロなんだ?」
「知らなくていいことよ」
ルイズはバツが悪そうに言った。
「胸か?」
ウルキオラはルイズの胸を見つめて言った。
ルイズの平手が飛んできた
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