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白鳥の恋
第八章
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「重なり合います。それぞれ」
「そうなのですか」
「はい。ですから私達もまた」
 舞台の時の顔になっていた。ローエングリンとエルザに。
「共に」
「舞台の続きを」
 ローエングリンでありアーダベルトであり。エルザでありエリザベータであり。二人はその中で言葉を交えるのだった。重なり合った世界の中で二人の世界の続きに想いを馳せながら。それが二人のはじまりであった。それは舞台では終わってはいてもだ。


白鳥の恋   完


                  2008・2・27

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