第一章 護れなかった少年
第二十九話 悪夢の後で
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『ヘパイストス・ハンマー』
ヘパイストスって......。
確かギリシャ神話のオリュンポス12神の一柱で、鍛治の神だった気がする。単位あってるかわからないけど。
「見つけたよー」
手に持ったハンマーを振り上げながらリズに言う。
「ホント!?」
嬉しそうに言いながら駆け寄ってくるリズ。その嬉しそうな顔を見て若干微笑みながら答える。
「ホント。はい、これ」
そしてハンマーを渡すと、嬉しそうな顔でお礼を言われる。
さてと、これで依頼は完了......と。
「ねえ......」
と、そこでリズが声をかけてくる。
「ん、何?」
なんだろうと思い、振り返って聞き返すと.....
「や、やっぱりなんでもない」
そう言ってふいっと顔を逸らされる。......ものっそい悲しそうな顔で。
「......どうかしたの?」
ー☆ー☆ー☆ー
リズベットside
「や、やっぱりなんでもない」
言葉を濁す。
本当は『過去に何があったか教えて』って言おうとしたんだけど、流石にダメよね。
「......どうかしたの?」
ソラが訝しげに見てくる。
どうしよう、あそこまで聞いちゃうと気になるし、何より、もしかしたら話して少しでも気持ちが楽になったらな......とかもおもうし......。でも結果はソラの心の傷を抉ることになっちゃうし......。
悶々と考えていると、そこでソラが口を開いた。
「取り敢えず一旦戻ろう。戻る途中で話は聞くからさ」
「......うん」
取り敢えずうなづきながら歩き出す。
そうだ。帰りながら聞けばいいんだ。ソラは基本倹約家だから転移結晶は使わず歩いて行くはず。
答えて貰えるかはわからないけどきっと聞ける。
それで少しでもソラが気持ち的に楽になればいいし......。
そう思いながら私は先に歩き出していたソラの方に走り出した。
ー☆ー☆ー☆ー
ソラside
「じゃ、今日はここで解散と言うことで」
「う、うん.......」
場所は32層主街区《ミレアム》。
あの迷宮からやっと戻って来た所で僕にリズにそう切り出した。
そういえば、終始何か言いたそうだったけど何も行って来ない。どしたんだろ?
ま、いつか聞いてくるでしょ。
そう楽観的に捉えてリズに「じゃ、
また」と言いながら歩き出し、この町の中にある月読のみんなとの集合場所に向かう。
と、その瞬間。
視られている
冗談でもシャレでも何でもない純粋な殺意とともに感じる。
ドッと汗が噴き出て、それと同時にバ
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