1部
12話
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故、盾が必要なんですか?先程の白眼でも対処できないという事と何か関係が?」
「ああ、全方向を見渡す白眼だが、僅かにだが死角があることは知っているな、ネジ?」
「はい」
「そこを突けるんだよ、あれは」
私の言葉に怪訝そうな表情を向けるネジに、袖から手裏剣を一つ取り出す。それは通常の十字手裏剣ではなく、への字型の自作手裏剣でテンテンに渡した忍具の射出するものと同じ形状をしている。
「……なんです、それ?」
「まぁ見ているといい」
私がその手裏剣を投げるとそれはしばらくは普通に飛んでから、途中でくるりと向きを変えて私の所へ戻ってきた。帰ってきたそれを指で挟んで、再び裾にしまって二人の方を見る。
「す、凄いですよ、ネジ!?手裏剣が帰ってきましたよ!?」
「これが通常の手裏剣に混ざって射出される、貴女のことでしょうそれも時間差で放たれるのでしょうね」
「察しがいいな、ネジ。その通りだ、だから場合によっては白眼でも対処できないと言ったのだ」
「……本当に貴女は悪辣ですね」
「褒め言葉と受け取らせてもらおう」
私達のやりとりを見ていたリーは首を傾げて、私の方を見て手を挙げた。
「質問してもいいでしょうか?」
「ああ、構わない」
「確かにあの手裏剣は凄いですが、どうしてネジがそこまで悪辣というのでしょうか?」
「簡単だ、君は飛んでくる無数の手裏剣全ての形を把握できるか?」
「無理ですね」
「だろう?この特殊な手裏剣が飛んでくる内のどれかなど分からない。
その全てを回避もしくは苦無などで弾くしかない。何しろ全てに即効性の痺れ薬が塗られているからな。
その上で、幾つかの手裏剣は回避したとしても向きを変えて背後から襲ってくるのだ。当然、その間も前からの手裏剣は飛んでくる。
これら全てかする事無く回避しなければならない。どうだ?」
「それは……随分と……酷いですね。けど、帰ってきた手裏剣は自分にも当たるんじゃ?」
「そのための全方位の盾だよ、それがあるなら取り敢えずは使用者は助かる、それ以外は知らんがな。
その後麻痺した相手の首を落とすなり、縛り上げて捕獲するなり自由にすればいい」
「ネジ……」
「言うな、リー。この人はそういう人なんだよ」
「大変でしたね、ネジ」
……何故、私が厄介者のような扱いを受けねばならんのだ?
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