暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜神話と勇者と聖剣と〜
DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第十四話
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う。真っ白なだけだから不安なのだ。別の色――――そう、例えば赤とか、黒とか。通路の何処かに扉でもあれば、気がまぎれるかもしれない――――

 そんなことを考えた、その時だった。

「あの……あれ、何でしょう」

 ハクナがポツリ、と呟いたのは。

 彼女が恐る恐る指さす先には、一枚の扉があった。

 その扉は、異様な存在だった。紫色の扉自体はどこか良い所の屋敷の扉のような作りだ。西洋ならどこでも見れるだろう。ドアノブは金色。扉も併せて、どことなく艶やかだ。

 だがその扉を、無骨な黄金の鎖が封じているのだ。鎖はドアノブをぐるぐる巻きにし、そこから南京錠がぶら下がっている。

 その扉は通路の終わりにあった。つまりここが、この道の限界。この先には、何もない。迷宮の終わり。

「……開けるしかないんでしょうかね」
「でしょうねぇ」

 ハクアの呟きに、ハクガはごくり、と唾を飲みながら答えた。

 重圧。この先に、何かある。それが何なのかは想像がつかないが、どうもあのノイゾと名乗った少女らと同じ、《神気》とでもいうべきものを感じ取ることができた。

「……《白亜宮》のメンバー、でしょうか」

 ハクナが不安そうにつぶやいた。彼女の気持ちは分からなくもない。彼らの力は膨大なのだ。剣を合わせた…正確には合わせようとした…ハクガはそれがよく分かる。

「行きましょう。どうせ、この先に行く以外に、道はないのですから」

 ハクガは宣言すると、南京錠に手を伸ばす。どのくらいの強度があるのか、確かめようと思ったからだった。

 だが直後、拍子抜けするほどあっさりと、南京錠ががちゃり、と音を立ててはずれる。まるで最初から鎖など無かったかのようにそれらを巻き取り、姿を消した。あとは、紫色の扉が残る。

「……」
「……」
「面妖な……」

 今のはまるで――――自分たちを、待っていたかのようだった。「もしかしたら俺達は、《白亜宮》の思い通りに動いてるだけなのかもしれない」。小波の言葉がよみがえる。

 いや、違う。そんなわけない。否定する。だが、同時にその通りだ、彼らは自分達よりも高位の存在なのだ、という肯定も浮き出してくる。

「……行きましょう」

 迷いを振り切るように、再び呟く。ハクアとハクナの二人も頷く。ハクガは、金色のドアノブに手をかけた。



「……子供部屋?」

 部屋に入って最初に口を開いたのはハクアだった。

 部屋の中は薄暗かった。ここだけ、夜が訪れているかのように。薄紫色、というかピンク色に近い、少女趣味チックな部屋の中には、クローゼットや箪笥などが置かれ、ところどころにぬいぐるみまでいる。目を引くのは巨大な本棚。その中に大量の本がおさめられている。金色
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