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戦国†恋姫〜黒衣の人間宿神〜
二十一章
本物の晴信×祝言について
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ことか』

「砥石崩れのことは?」

『だいたいのことは聞いている』

田楽狭間の少し前に起きたという砥石崩れもその異変の一つなのだろう。本来なら砥石崩れに鬼は出ない。もちろんそれと並行して起きた、駿府の異変についてもだ。

「でも、納得れきないのら!」

「確かに先ほどの戦いで、一真殿の一行が鬼と戦い慣れている事は分かりました。ですが・・・・」

「織田三郎が北の方という話らしいけど、姿が見えない男と織田の両方を信じていいのかだぜ?弱卒の尾張が役に立つとは思えないんだぜ」

「左様。織田三郎、確かに切れ者のようではありますが・・・・しかしお屋形様の策に従うならば、我が武田が織田の下に付くという事になりまする。それは我らの家祖、新羅三郎義光に顔向け出来る事や否や・・・・」

新羅三郎義光・・・・河内源氏棟梁・源頼義の三男で、源義光と云う。兄に八幡太郎義家や加茂二郎義綱が居る。

兎々を筆頭に四天王や他の将達も、口々に反対意見を述べている。というか新羅三郎義光は霊界で会った事があるが、とてもいい奴だったぞ。今は風林火山に宿っていると聞いたが。まあ現世でいつか会えるだろう。それと俺に反対意見を言うとか根性あるじゃねえか。春日は知っていると思うが、俺はお前たちを創った存在だぞ。あと反対はいいが肝心の根元が見えてこない。俺が鬼との戦いに役に立つか分からないというのはまだしも、久遠や序列が出てくるということは、久遠の連合に参加意思はあるということなのかな。でもそれだけで猛反対はないと思えるし、沙紀もそう言う感じがするとプライベート・チャネルで言ってきた。

「・・・・皆の言葉、尤も」

そんな一同の声が水を打ったように静まり返ったのは、ぽつりと呟いた光璃の言葉があったから。

「しかし時間無し。光璃は御旗、楯無に誓い、一真と祝言を挙げる」

『・・・・・・・は?何だそのふざけた言葉は』

その一言に対して誰も反論がない。というか俺にはもう妻がいるんだぞ。まあ俺に妻がいるという事は言っていないけど、これはないだろう。沙紀も少々キレそうだと言っているし、トレミーにいる俺の妻たちも反論している。

「あ、あいやまたれい!」

沈黙の中で声をかけたのは、家臣団のはるか向こうからの声だった。

「・・・・小寺官兵衛。許す」

「・・・・えっ」

一斉に向けられた家臣団の視線と、初対面の光璃にいきなり名前で呼ばれた事に驚き、雫はそれきり動きが止まった。

「姉上は話して良いと仰りやがっておりますぞ、雫」

「は・・・・はいっ」

夕霧のフォローに小さく頷いて。雫は震える手を握りしめ、言葉を続け始めた。

「か、一真様の未来の妻の一人として、僭越ながら武田がお屋形様にお尋ねしたき儀がございま
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