十九章 幕間劇
膝枕
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度、主様にしてみたい事があったのじゃが・・・・構わんか?」
「俺が出来ることならな、で、何?」
「うむ・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
しばらく黙っていたけどやはりなんでもないらしいが、気になるな。手合せでも俺とは勝てないと思うけど仕合とかならな。
「もしかして、手合せか?」
「それは良い。主様が最強であるのはもう分かっておる。まあ手合せをしてたら幽に見つかる」
だよなー。金属音で野次馬が集まってくるだろうし、それと同時に幽も来るだろう。今はお忍びでの休憩タイムということだしな。
「その・・・・じゃな。京におった頃、街の遊女が男衆をもてなしていた振る舞いなのだが・・・・」
一葉言いにくそうなのかそう呟くと、ほっそりとした手で膝の上をぽんぽんと叩く。
「膝枕か?」
「うむ。一度、主様にしてみたいのじゃが・・・・。そういう遊女のような真似は好かんか?」
「いやそういうのも好きだ。一葉がしてくれるのなら普通に嬉しいぞ」
「・・・そうか!なら・・・・」
そうして俺は一葉の膝に頭を置く。ふむ。公方の膝もなかなかなもんだな。
「重くはないか?」
「少し重いが、悪い気分ではないな」
一葉の膝は俺の本妻である奏を思い出す。奏の膝もこんな感じだったな、武術を極めていて体を鍛えているからこんなに柔らかいのだとな。
「主様はどうだ?余の膝は」
「ああ最高だ。まるで奏を思い出すな」
「奏とは確か一真の・・・・」
「ああ。俺の妻だ。俺の妻たちもいるが、この時代に合わせると奏が正室になるからな。随分前にやってもらったから、懐かしくてな」
膝枕は夫婦ではよくすることだ。最近は今の仕事をしているからな。よく結菜にしてもらっていたが。
「今更だが本当にはしたなくないのか?それに余は男に膝枕するのは初めてだ」
「分かっているさ。それにこれぐらい慣れて行かないと夫婦にはなれんぞ。こういうのは別に恥ずかしくがるようなことではないだろう」
「・・・・そうか」
「何か気になる事でもあるのか?」
「・・・・すまんな。余は、夫婦のそういった場をよう知らんのだ」
「なるほどな。一葉の両親は?」
「母は先代の将軍であったが、余に将軍職を譲って少しして病でな。・・・・父とこういう事をしている場など、ついぞ見た事がなかった。双葉も幼い頃から仏門に預けられておったから、こういった家族の甘えようはあまり知らんだろう」
「そっか」
一葉にとっての膝枕は、久遠や結菜がするような感じではなく、遊女が男にもてなすという印象ではしたない行為だと思ってたわけか。俺にとっての膝枕とは違うみたいだけどな。それに俺の妻たちには
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