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文花の鬼時間
文花の鬼時間
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普段の啓太ならここでニヤニヤするかもしれない

「おぉ!よかったですねケータくん」

だが

「うるさい、ちょっとウィスパー黙ってて」

彼は

「はい・・・」

「ひとりで頑張ったねフミちゃん」

むしろ優しい顔になり文花の頭をよしよしと撫でた。
そして、景太の頭に後ろから火の粉が飛んできた。

「・・・ん?ん!?うわっちちちちあっちぃ!」

「け、ケータくん?」

「なにを遊んでるんですかケータくんは」

「遊んでないよっ!てか何すんだよキュウビ!」

「なにはこっちの台詞だよ。人が頑張ってる後ろでなにをしれっと抜け駆けしてんだい?景太。今の状況忘れてるんじゃないだろうねぇ?」

ゴゴゴと自らを燃やし怒りを露にするキュウビ

「忘れてないよ、俺はまずはフミちゃんの気持ちを落ち着けるのが先だって思っただけで、」

「ならいい。早く文花を出口まで連れてくんだ。もうそんなには持たない」

「うん!わかった。ふみちゃん走れるかな?」

「う、うん」

「よし行こう!」

景太は文花の手を握り走り出した

「ちっ。まぁいいさ。文花を守れるなら全力で足止めしてあげましょう。たとえ、妖力が尽きようとも!」

少しでも火力を落とせば鬼は炎から抜け出してしまう。キュウビは景太と文花を見送りながら妖力を絞り出し出力を維持する。

「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

炎の中から鬼が吠え

「しまった!火炎弾がっ!」

炎の中から炎弾が二発、発射された。
一発はキュウビを目掛け、もう一発は啓太達の方へ凄まじい速さで飛んでいく。
キュウビは炎弾を防ごうとしなかった。
もう妖力も残り僅か、防御に回すぐらいなら1秒でも時間を稼いだ方がいい。そう判断しての事だった。

炎弾炸裂

「グハッ、文花を頼んだ、よ、景太・・・」

その場にキュウビが倒れ、間もなくして炎が消えた。
鬼はキュウビに止めを刺さずに啓太達を追っていく。
飛んでくる炎弾に最初に気付いたのはウィスパーだった






「やや!ケータくんなにやら飛んできましたよ!」

「あれって!!」

文花が驚く。
啓太は冷静に妖怪メダルをウォッチにセットしていた

「お願い!ブシニャン!」

「かつおブシ斬り!!」

妖怪ウォッチから飛び出したブシニャンの神速の斬撃。瞬く間に炎は切り崩され消滅した。

「またつまらぬ物を斬ってしまった」

「すごい!!」

「ブシニャン、一緒に来て!またなにかあったらお願いね」

「承知!」

手を繋ぎ走る啓太と文花に並走してブシニャン。後ろを見張るために少し後ろをウィスパーが浮遊している。
 
「ウィスパーどう?」
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