第六章 正義の在り処編
第百八十四話 『事情聴取と過去』
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どうしたらそこまでひどい仕打ちができるのか………。
「モリア・モルドレッド………許せないな」
「ああ、そうだなシグナム。あたしのアイゼンで触れること自体が嫌なほどだぜ」
ヴィータとシグナムがモリアに対しての怒りを顕わにする。
それくらい怒りが込められているものであるのだ。リオンの告白は。
「ねぇ、フェイトちゃん」
「うん、なのは。言わなくてもわかるよ。モリアは必ず私達の手で捕まえよう……!」
「うん!」
なのはとフェイトも逮捕に熱意を燃やしていた。
他の面々も隠し切れない怒りで燃え上っていた。
ここに全員の意見が一致した。
モリアは必ず捕まえることを。
そしてリオンの語りは再開して、
「あとは魔導師としての基礎訓練と一般知識を叩き込まれて、任務としてあの訓練校で行かされてスバルとティアに出会った。
最初はただのターゲット程度しか見ていなかったけど………2人と過ごすうちに楽しく、うれしく思えてきたの…。
クローンの皆は兄妹って感じだったけど、兄妹は皆死んでから私にとって初めての友達はスバルとティアだけだった。
だからモリアへの報告の時は『誰もいない』って言えた。
例えコアを握られても、ひどい仕打ちを受けても“友達を守ってる”って実感できたから…耐えられた。
暗殺の命令を受ける時も“2人ともう一度会う”って約束を支えに耐えた」
六課のメンバーである者は驚愕の表情でリオンを見つめる。
またある者はこのような非人道的な方法を取ったモリアに対し怒りを覚えながら拳を強く握り締めながらリオンの言葉を聞くなど様々だったが、スバルとティアナは特に酷く、涙を流しながらリオンの話を聞き続けた。
そしてリオンは涙を流しながらスバルとティアナに話しかけた。
「ごめんね、今まで黙ってて、ごめんね。気持ち悪いよね? こんな…人間ですらない私なんて」
我慢の限界だったのかスバルとティアナは涙を流しながらリオンを抱きしめた。
「ティア? スバル?」
「この…バカリオン! どうしてそんな大事なことを私たちに相談してくれなかったの!?」
「ッ!!…ティ…ア…」
ティアナの言葉にリオンは目を見開く。
「リオン…ごめんね。そんなツライ目に…苦しい目にあってたのに気付けなくて…ごめんね」
「スバ…ル…」
スバルの言葉にまた涙腺から再び涙がなかれるリオン。
「リオン、覚えてる? あの時『私が危機に陥ったら助けてくれるかな』って………」
「うん。覚えてる」
「だったらもう、遅いかもしれないけど改めて言わせて。力になるよ、リオン」
「ど、どうして? わたしは人間じゃないし、人殺しなのにどうして私に構うの?」
リオンはこんな私にまだ構ってくれる二人に対して少し信じられなかった。
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