第六章 正義の在り処編
第百八十四話 『事情聴取と過去』
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オンも安心したのか肩の力を抜く。
それから少し静かな雰囲気に部屋が満たされる。
「うん。これでええな。さて、それじゃリオンさん。これから本題に入らせてもらうけど。ええな?」
「………はい」
「それじゃ突然で悪いんやけど、リオンさんの体を調べる時に気付いたんやけどね。
わたしやなのはちゃん、フェイトちゃん。それにシホちゃんのDNAがリオンさんの体から検出されたんや。それに他にも大勢の別々の遺伝子がな。改めて聞くで? アンタ………何モンや?」
「ッ!」
はやての鋭い眼差しに加え、言外に“嘘は許さない”という威圧感が込められていた。
リオンは涙を流しながら諦めたかのような儚い顔付きで話し出す。
「わかりました………お話しします」
それではやて達はリオンを会議室へと連れていき話を聞くことになった。
この会話内容が外に漏れないように常にシャーリーやすずかが見張っていてくれるという。ありがたいことである。
それで全員が席に着席してリオンがポツリポツリと話し始める。
「私の正体を話す前に言っておきます。私は、本当はこの世に生きちゃいけない存在なんです」
「生きちゃいけない存在………? それって、どういう事?」
スバルが困惑の表情でそう尋ねる。
他の周囲の六課のメンバーも困惑の表情を浮かべている。
命とは千差万別だが皆がそれぞれ思い思いに生きている。
それを自身で否定するリオンの胸中はいまだわからないことだらけだ。
だけど、これからそれを聞ける。
たとえそれがパンドラの箱の中身だとしても………。
「私は人としてではなく、生物兵器として作られた存在なんです。
モリアは私は知りませんが誰かに秘密裏に生物兵器の開発を考案しました。“エース級魔導師を大量生産し、戦力の増強をしよう”って……っ」
「そんな………!」
「それじゃ、もしかしてあなたも………?」
フェイトとエリオが少し表情を蒼白とさせながらそう聞く。
それにリオンは、「はい」と頷いて、
「その為にモリアはまず、あらゆるエース級魔導師やストライカー級の魔導師達の遺伝子を片っ端からかき集めました。
その中には当然、はやてさん、フェイトさん、なのはさん、シホさんの遺伝子データも含まれていたそうです」
「なるほどね」
そこでシホが声を上げる。
「なにかわかったん? シホちゃん」
「ええ。少しおかしいと思っていたのよ。私の魔力変換資質【風王】………これは現在確認されているのは私だけ。なのにリオンさんは普通に使っていた。これはつまり私の遺伝子が働いた結果ということになるわけよ」
「はい。シホさんの言う通りです。
モリアは“プロジェクトF”のデータや管理局で登録された当人の戦闘データを元に短期間で大量のクローンを産み出す方
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