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Fate Repeater 〜もう一人のクルスニク〜
二話:約束
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くはオーフィス自身がそう言った事に関心が無いのだろう。

何となくだが少し浮世離れした雰囲気を醸し出しているのもあるからな。
……それにしてもオーフィスが言った私が異世界の人間だということ。
ここは別の“分史世界”なのか?それとも“正史世界”なのだろうか?
………考えても分からないな。オーフィスに聞くしかないだろうな。

「オーフィス、私が異世界の人間とはどういった意味で言ったんだ?」
「ヴィクトル、この世界にはない力持つ。」

私の質問に淡々と答えてくれるオーフィス。
しかし……この世界に無い力?どういうことだ?
オーフィスの言う力は恐らくは骸殻のはずだ。

骸殻能力者は“分史世界”にもいるはずだ。現に私がそうだ。
“正史世界”だけは辿り着くことが出来なかったのだが、
ルドガーの存在で骸殻能力者がいることは分かっている。
そうなるとこの世界は一体?

いや、もしかすると骸殻の無い世界を望んだ者が居たのかもしれない。
一族の骨肉の争いに辛くなったが為に骸殻その物を無くそうと考えた世界。
“オリジンの審判”の過酷さと“分史世界”の可能性を考えればあり得なくもない…。

「オーフィス、ここは“分史世界”なのか?」
「?」

私が言った“分史世界”という言葉に不思議そうに首を傾げるオーフィス。
“分史世界”でもないのか?正史世界という線はあり得ない………
それらのどちらでもないということならば……この世界はまさか―――

「私が居た世界とは完全に異なる世界なのか?」

私がそう言うとコクンと頷いて私の質問に答えてくれるオーフィス。

完全に異なる世界……まさかそんな物が本当にあるとはな……。
……もし、もっと早くこの世界を見つけられていたら兄さん達を殺さずとも
エルとラルと共に暖かな生活が送れていたのではないのだろうか?

いや………そんな仮定は必要ない。私はあの時後悔しないと決めたのだからな。
なぜ、私が死んでいないかは分からないが、私は壊したことに後悔してはならない。
それこそが私が出来る唯一の―――壊した世界への弔いなのだから。

「オーフィス、私はなぜオーフィスの部屋に居るんだい?」
「ヴィクトル、強い。だから連れて来た。」

片言しか話さないので要領が掴めずに全ての理由は分からなかったが
一先ず、オーフィスがここに私を連れてきたことだけは分かった。

「因みにだが、私がなぜこの世界に来たかは分かるかい?」
「我にも分からない。我、強い者見つけたから連れて来ただけ。」

先程から執拗に強さという言葉を使うな……私よりもオーフィスの方が
余程強いと思うのだが………それよりも強い者がこの世界にはいるのか。
しかし、こうも強さを求めるということはオーフィスは
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