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復縁
第二章
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第二章

「幾らカラオケの飲み放題でもやっていいことと悪いことがあるじゃない」
「やって悪いことね」
「それを五杯も飲むからいい加減切れてね」
「日本酒を大ジョッキで五杯!?」
 千絵はそのことにも驚いた。
「それはまた凄いね。そんなに飲んだの」
「いつもよ」
 房江はそのことには特に驚くことなく述べた。
「それはね」
「いつもって。いつもそれだけ飲んでるのかい」
「飲み放題だからね」
「いや、飲み放題でも凄いね」
 彼女はむしろそちらの方に驚いていた。そしてこう言うのであった。
「それじゃあまるで」
「まるで?」
「うわばみじゃないか」
 その妖怪だというのである。
「まさにね」
「私も強いけれどね」
「まああんたもね」
 親友同士だけあって房江のその酒の強さも知っている彼女であった。つまり酒豪同士のカップルだというわけである。
「ウォッカストレートで一本いけるしね」
「あれ飲んだら男だって書いてあったけれど」
「というか火が点くから、ウォッカって」
 千絵は呆れながらその話もした。
「アルコール度九十六だったわよね」
「そうよ。それを一本空けたのよ」
「ロシア人みたいだね」
 千絵はここまで聞いて思わず言ってしまった。
「それじゃあ」
「そんなに凄いっていうのね」
「凄いよ。私はお酒弱いからね」
「そういえばそうよね。千絵はね」
「だからあんた達のそれには呆れるよ」
「それでどう思うの?」
 ここでまた問うてきた房江であった。
「これって」
「はっきり言っていい?」
 まずはこう前置きしてきた千絵だった。
「そのことについて」
「ええ、どうぞ」
 そして房江もそれに応えるのだった。
「言って。何でも」
「馬鹿ね」
 千絵がまず言った言葉はこれだった。
「はっきり言ってね」
「馬鹿だっていうの?」
「そうよ、馬鹿よ」
 まさにその通りだというのである。
「そんな下らないことで別れるなんて」
「けれど許せないからよ」
「はっきり言ってどうでもいいことよ」
 千絵はそのことをまた言った。
「そんなことで喧嘩して別れて」
「許せないのよ、本当に」
「山村って浮気もしないしギャンブルもしないじゃない」
「当然薬もしないわよ」
「アルバイトだって真面目にやってるし」
 彼についての話になっていた。
「それを考えたらね」
「いい彼氏だっていうのね」
「少しお調子者で軽い適当なところもあるけれど」
 これは具体的な彼の欠点であった。千絵はそうしたところも冷静に見ているのであった。二人の友人として離れた場所から見られるのでわかるのだった。
「それでも。気は利くし意地悪なことは絶対にしないし」
「いい奴だっていうのね」
「そうよ。正直言って
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