入学編〈下〉
ブランシュ日本支部
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の拠点を突き止めればいいのでしょうか?壬生先輩がご存じの中継基地はとうに引き払われているでしょうし、大した手掛かりが残っているとも思いませんが」
深雪だけはいつものように、質問をしてみる。
「それについては、司甲の方も同じでしょう。残っていないと言うより、最初から手掛かりを残す連中ではないということですからね。テロリストたちはそういう手をよく使いますから」
「賛成ですね。中継基地は既に人っ子いないと、報告があるくらいですし」
蒼太と沙紀もいつもの状態ではなく、軍人モードに入っている事に気付いたのは微笑していた一真と深雪だけだった。
「一応こっちでも拠点場所は掴んでいるが、確実に知っている人に聞けばいい」
「・・・・知っている人?」
「心当たりがあるのか、一真?」
エリカとレオの問いに答えずに黙って、出入口のドアを開けた。
「小野先生?」
会長の声に、困惑交りの曖昧な笑みを浮かべていたのは、パンツスーツの小野先生だった。
「九重先生の師範から隠れ遂せようなんて、やっぱり、甘かったか」
彼女が苦笑い混じりながらも、悪びれのない声で話しかけたのは一真だったけど。
「例え隠れていても気配がダダ漏れのような感じですよ。嘘ばかりついてると、本心さえ知ってしまいますよ」
「気を付けておくわ」
一真に招き入れられる形で、小野先生は壬生先輩のベッド脇まで歩み寄った。
「もう大丈夫みたいね」
「小野先生・・・・」
「ごめんなさいね、力になれなくて」
首を横に振る壬生先輩の肩に手を置いて、その瞳を少しの間じっと覗きこんでから、小野先生はベッドサイドから離れた。
「遥ちゃんが、ブランシュとかいう連中の居所を知っているのか?『パシイィィィィィィィイン!』いってぇぇぇぇぇぇぇぇ!何すんだよ一真!」
「バカモノ!教師に向かって名前でちゃん呼びをするバカがどこにいるんだ!」
「まだじーんとするが、クラスの連中は皆、そう呼んでいるぜ?遥ちゃんも、それで構わないって言っているし」
「皆じゃないわよ。そんな呼び方しているのは、一部の男子だけ。そう呼ばれると最初は注意してたけど、もう注意する気がなくなるだけよ」
と何か知らんがコントになったけど、あとでその生徒を調べてから俺から注意しておこう。俺のハリセンでな、くっくっくっくっ。俺が何かニヤニヤしていたようで、深雪たちから考えを止められた。そしてスマホを二台取り出してから、こっちで掴んだ情報と照らし合わせるとしようか。
「さて、小野先生。ここで知らないフリはありませんよね?」
「分かっているわよ。その携帯端末を貸してくれる?どうせもう片方のと照らし合わせようとしているんでしょうから」
そう
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