入学編〈下〉
事情聴取×真実と偽りの情報
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ないと思ったここにいるみんなだったが、もう片方の手に映っているのは確かに過去の映像らしい。それでも委員長が言ってるときだけ、映像が途切れるのは、何らかで記憶をいじったか書き換えられた可能性だと深雪と蒼太に沙紀は思った。
「ありがとうございました。では先ほど見せた壬生先輩の過去の記憶には何らかで書き換えたか上書きされた痕跡がありました。それと壬生先輩のこの一年間は無駄ではありませんよ。エリカが先輩の技を見て、言っていたように、エリカの知る『剣道小町』と呼ばれた剣技とは別人のように強くなっていたとね。恨みに憎しみというマイナスパワーで身に付けた強さは、哀しい強さかもしれません。でもですね、それは壬生先輩自身の手で高めた先輩の剣であり、恨みに凝り固まりでなく嘆きに溺れる事もなく、己自身を磨いた一年は無駄ではありません」
「・・・・・・・・・・」
「己自身の強くなるきっかけは人それぞれなのですよ。人は努力したという理由は数えきれないほどあるでしょう。努力をどれだけの時間をかけたのかは、知りませんが成果を否定するのであればこそ、費やした日々が無駄となると俺は思いますが」
「織斑君・・・・・」
俺を見上げる壬生先輩の目は、涙でいっぱいだったので身体を寄せてみた。そしたら壬生先輩が身体を預けるようにして、俺の服を握りしめて泣いていたのだった。まあこれに関して空気読まないバカはいないと思うけど。皆はおろおろしていたけど、俺は無言で肩を支えて、深雪たちは静かに目を閉じていたのだった。で、落ち着いて壬生先輩にティッシュを渡してから、同盟の背後組織がブランシュであることが語られたのだった。
「予測通りすぎて、あまり面白くありませんね。お兄様」
「深雪さんの言う通り、面白みがない。あまりにも本命すぎて」
「現実はそんな感じですよ、委員長に深雪。さて、問題が一つ残っていますね。奴らが今どこにいるのかを」
俺は今後の行動方針を、既定の如く発言したのだった。と同時に耳に付けている通信機から、奴らの場所辺りにドウター反応があると。それもいつもとは違うようで、奴らがいるところから反応があると。もしかしたら鬼がドウター化したように、敵の人間がドウター化したのではないかと推測をしていた。
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