第1部 ゼロの使い魔
第1章 俺は使い魔
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「俺が怖いか?女」
消えかかった体で、ウルキオラはおもむろに手を女の方へ向ける。
なぜ、こんな事を聞いたのかわからない。
しかし、答えはすぐに帰ってきた。
「怖く…ないよ」
それを聞いた瞬間、目の前の女が先ほど言っていたことを思い出した。
ほんの少し前の出来事なのに、ずいぶん昔のような感じがする。
「そうか…」
そう言うと、ウルキオラの手が女から離れていく。
すると女は身を乗り出し、ウルキオラの掌を握ろうと手を伸ばした。
しかし、ウルキオラは女の掌を握ることができなかった。
腕が砂となり、消えたからである。
(そうか…この掌にあるものが…)
ウルキオラの身体が完全に消えさる。
(心…か)
「あ、あんた誰?…何者!」
抜けるような青空をバックにウルキオラの顔を覗き込んでいる女が言った。
(バカな…なぜ生きている?)
刀剣解放は解けている。
しかし、霊圧は黒崎一護との戦いの前の状態に戻っている。
四人の人間を除いてすべての人間が意識を失う。
あたりまえだ。
ウルキオラは、俺の霊圧をこの距離で受けて、よく生命を留めていられるものだ、と思った。
(どうゆうことだ…)
ウルキオラは整理がつかず、混乱していると、一人の男が、ウルキオラと女の間に入った。
「ミス・ヴァリエール!下がりなさい!」
ウルキオラの危険度を察したのか、身の丈ほどの杖を握りしめる。
(なんと言う魔力…身体が潰されそうだ…)
ウルキオラは目の前の男を無視し、徐に先ほどと同じ行動をした。
「俺が怖いか?女」
ウルキオラは手を女の方に向け、言葉を放つ。
すると、先ほどまで怯えていた女は、強気な顔で言い放つ。
「じ、自分の使い魔を怖がるわけないでしょ!」
ウルキオラの手を力強く握った。
ウルキオラは女の手を掴むことができた。
あのとき、掴むことができなかった手を…
「そうか…」
ウルキオラは、霊圧を抑えた。
「ミ、ミス・ヴァリエール!早くコントラクト・サーヴァントを!」
ウルキオラが霊圧を抑えたことにより、敵意が無くなったと感じたのか、男が女に命じた。
(一昔前の俺なら問答無用で殺していたが、これが心というものなのか?)
ウルキオラは、俺は少し変わったな、と皮肉っぽく思った。
「は、はい。わかりました」
杖を掲げ、女が言った。
「わ、我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我が使い魔となせ」
そう言うとウルキオラに近づいていく
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