入学編〈下〉
対テロリスト戦(2)
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
。サイオンの閃きと共に砕け散ったのを、呆然と立ちすくむ魔法を否定する魔法師。その身体が不自然に硬直したと思ったらバランスを崩し転げ落ちてしまった。
「あっ・・・・」
「深雪の所為ではない、ご愁傷様と言うべきだよ。それにテロに加担した時点で罪に問われるのだから」
可愛く声を上げた妹に対して拳銃形態のCADを降ろしながら、一声かけた。二本足で立つ人間は常に、無意識に重心を調整しながら立っている。身体の動きを急減速=強制停止された人間は、そのままでは立っていられない。とそこまでは想定内だったのだろうけど、残念な時に止めてしまったので階段から転げ落ちてしまったという事に至った。まあ首の骨は折っていないよういだし、全身打撲って感じかな。それか脳震盪と肋骨を何本か折っているかのどちらかだ。
で、もう一人は真剣という日本刀を持っていたけど、エリカに斬りかかる伏兵だった。あの顔は見覚えがあった。剣道部のデモンストレーションで、壬生先輩の相手をしていた男子生徒だったけど。剣道部丸ごと侵食=汚染されているなと思ったからだ。その理由が手首にあるリストバンドだった。
「ちっ。一真君、生徒には手加減しなきゃ、ならないん、だよね?」
鍔迫り合いの中から問いかけてくる声は、少し震えていたけど。体格差からの腕力は、膠着状態では影響を及ぼす。
「本来なら生徒に対して手加減ではあるが、その生徒は既にテロに加担した者だ。それにその程度の相手に本気は見せないんだろ?」
「あらま。あたしの本音が分かっちゃうほどなんだ、ここは任して先に行って!」
と俺が話している間に、圧力を瞬間的に上げてから力を逸らす。そして相手との上下を入れ替えたあとに、エリカは先を急ぐよう促した。
「それなら任したぞ」
挟み撃ちを警戒してか半身になる男子生徒であったが、既に俺と深雪の眼中にその生徒は存在しない。一真は風術で身体の周りを竜巻状になって、深雪は軽く蹴ったら、一真は空を飛ぶようにして、深雪は静かに宙に浮いたのだった。二人は階段というのを経由せずに、二階に飛んで行った事にエリカは口真似で口笛を吹くようしたのと、呆気にとられた生徒を残して二人は突き当りの特別閲覧室に向かった
のだった。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ