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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 〜運命の先へ〜
第10話 「灰色の覇王vs純白の騎士」
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痛そうだなぁ。あれ食らって脳震盪起こしてないとは中々頑丈な頭をしているな。しかし、実際どうするか?稽古は頼めば付き合ってくれるし・・・。

「おい、小僧共。無駄話はさっさと止めて準備をしろ。時間だ。」
「へーい。一夏、先行くな。」

そう言うと、返事も聞かずにさっさと翔び立つ。さて、面倒なノルマどうすっかな。いや、能動的に処理できる条件じゃないんだけどさ。千冬さんへの頼みは・・・、戦いながら考えりゃいいか。



零と一夏は上空で対峙する。やる気満々で既に『雪片弐型』を構えている一夏に対し、零は腕を組んだまま棒立ち状態。自身とは対照的なその態度に一夏は首を傾げる。

『零?武器とか出さないのか?さっきみたいに変色したりとかさ。』
『必要だと判断したらな。』
『へえ?俺をナメてるのか?セシリアとも良い勝負だったし、お前が思ってるよりも強いぜ、俺は。』
『・・・そうか。』

一夏の台詞を聞きながら、零は一夏が目の前に現れる前に千冬とプライベートチャネルで話した内容を思い出していた。

(調子に乗っている愚弟の鼻っ柱をへし折れ、ね・・・。確かに調子に乗ってるな。まるで初めて銃を持った新兵だ。)

一夏は今、自分の想像を超えた強大な力に酔いしれている。余計な面倒が増える前に、この酔いを冷ましてやる必要があるようだ。そのためには・・・、

(・・・全力で叩き潰す必要がありそうだ。アイツにはこの試合で自分の弱さをとことんまで思い知ってもらわないとな。)

ふと零は千冬に出されたノルマを思い出す。それが一夏の自信を完膚なきまでに喪失させるちょうど良い手段であることに気づいた彼は、今更ながら彼女の底知れなさとブラコンぶりに苦笑する。

「・・・まったく、厄介な姉弟だ。」

彼の呟きは試合開始のブザーに掻き消され、誰の耳にも届くことはなかった。一夏が威勢の良い気合いの声をあげながら一直線に零に突撃していく。

『おおおおっ!』
『・・・呆れるほど単純だな。』

一夏が縦に振り下ろした『雪片弐型』を零は左足を軸に時計回りに体を回転させて回避する。彼は回転の速度を上げ、『雪片弐型』を大振りして隙だらけの一夏の顔面に回し蹴りをお見舞いする。

『ぐおっ!?』
『つまらん。』

一夏に構え直す隙を与えず、徒手空拳のまま絶えず攻撃を続ける零。流れるように数発の蹴りと拳撃を浴びせた後、アイアンクローを極めてそのまま投げ飛ばした。姿勢制御が間に合わなかった一夏は地面に激突する。

『いってえ・・・。』
『そんなもんか、一夏?ブリュンヒルデの弟ってのは随分と柔なんだな。』
『くっ・・・。まだまだぁ!』

零の挑発に乗り、再び一夏は全速力で零の方に突っ込む。一夏の袈裟斬りを懐に潜り込んで手元を抑えることで受
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