ターン15 鉄砲水と優しき闇
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ンを完璧にマスターしていて、話術だけでも食っていけるんじゃないかってレベルだ。
「と言っても、何か難しいことをしようというのではありません。今日、この場にお集まりいただいている中の一人と私がデュエルをする。どうです、簡単でしょう?」
デュエル、ねえ。まあそれのプロとして今日はここに来てるんだし、間近でそれを実践するって意味なら別に違和感はない。相手はこのたくさんいる中から適当に決めるのかな、なんてのんびり思いほんの一瞬だけ、まさか当たるわけないだろうと気を抜いてしまった。チャクチャルさんが制止しようとしたみたいだけど、それも一瞬間に合わず。ゆっくりと観客席を見回していたエドと、目があった。
「では、そこの遊野先輩。ひとつ手合せお願いしますよ」
先手を取ってきた、か。イニシアチブを向こうが取る展開はあんまり好きじゃないからここはスルーしてそっと外に出よう………と一瞬思ったけど、周りの様子をうかがってそれはかなり難しいことだと分かった。最初からこうなることが分かっていたかのように手際よく、周りが白制服に固められている。これはもう、光の結社とエドに何らかの関係があると見てほぼ間違いないとみていいだろう。まあ最初から薄々わかってたんですけどね。じゃあ最初から気を抜くなって話だけど。
「………サッカー!ラブカ!お疲れ様、戻っておいで!夢想、合図したら一気に走り抜けるよ!」
予定変更。こっそり退出できないなら、実力行使で突破あるのみ。だけどおかしい。かなり大声で呼んだのに、いつまでたってもサッカーとラブカが帰ってこない。
「おっと、お前の探し物はこれか?」
「あ、あらら………」
おかしいと思ったら、万丈目がドヤ顔で2匹の尻尾を掴んで持ち上げているのが見えた。そんなアンタ漁師が獲物の自慢するんじゃないんだからもう少し丁寧に扱ってほしいね。申し訳なさそうな顔つきの2匹に気にしないで、と手を振る。しかしこれ、今思ったんだけど精霊が見えない人たちからしたらドヤ顔で何かを握ってる風に片手を上げる万丈目と、そこに向かって苦笑しながら手を振る僕とか言うよくわからん構図になってるのか。
そんなことを思っているうちに、包囲の輪がじりじりと狭まってくる。よし、前言撤回。サッカーたちが捕まったままだし、ここで逃げたら夢想にまで迷惑がかかる。それに、彼女の前でとっとこ逃げ出すなんてカッコ悪いことはできないね。男は見栄張ってなんぼの生き物。
どうせやるならとことん派手にやりたいので、びしっとデュエル場の中央で仁王立ちするエドに向かって指を突きつける。せっかくなので前口上の1つでも叩き付けてやろう。
「それじゃあ、デュエルと洒落こ」
「おーーーいっ!!」
「「………え?」」
思わず会場全員の声がハモる。だって、僕ら
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