第7話 蟻の思いも天に届く、故に士郎は一子を押し上げる
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では無くて子犬そのものだ。豆柴あたりだろうか。
「さて、次は宿題だがやって来てるかい?」
「っ!はい、どうぞ!」
豆柴の小犬が犬耳を立てるように反応して、鞄の中から士郎が個人的に出していた宿題のプリントだ。
何故、士郎が一子にこんな宿題を出させているかと言うと、考えながら戦うという事はそれなりの智慧と観察力が鍵となるであろう。観察力については地道に鍛えていく必要があるだろうし、知恵と言うのなら基本では勉強はもってこいだ。
しかし今まで一子は、授業の時間を寝ていたり聞いていなかったりして真面目に勉強してこなかったため、こうして士郎が少しづつのペースで宿題を出してフォローしているのだ。
本来では士郎もそれほど頭がよくは無かったのだが、以前の世界でどこぞのはっちゃけ爺さんに「私の弟子であるならこれくらいで来て当然」と言わんばかりに一歩間違えなくても、一門間違えるだけで魔力による銃撃や斬撃が来るので死に物狂いで勉強した上に、この世界に来た後でさらに勉強し続けた結果、英国にあるオック〇フォー〇大学でも非常に優秀な生徒で好成績の首席卒業を成し遂げたのだ。
例え、世界や名前に変化が有ろうとも才能の部分でも変わろうとも、士郎は士郎という事だ。
―――――夢に突き進んだ途中で別の道に行こうとも・・・だ。
「・・・・ん、ちょっとしたミスが見られるけど、順調みたいだね」
「ほ、本当ですか!?」
「ああ、それじゃあまた宿題を出しておくから次来るまでにやっておくんだよ。解らない時には携帯に電話或いはメールしてくれればいいからさ」
は〜〜いと言う気持ちのいい返事をする一子。それと同時に彼女のお腹の中からグゥ〜〜〜〜と言うお腹の音が鳴る。
「あれ?一子ちゃん、朝食抜いてきたのかい?」
「あ、いえ、その、はい。寝坊しちゃって・・」
(言えない、じいちゃん達に内緒にしてるから朝食なんて作ってもらって無いなんて)
そんな一子の内心を知らずに?士郎から提案を持ちかける。
「なら俺達と一緒に食べるか?」
「い、いいんですか?」
「良いも何も、それじゃあ今日の学校はきついだろう?」
「それはそうなんですが、でも今から作ってちゃ間に合わないんじゃ・・」
「大丈夫だよ。多分ジャンヌが多めに作ってるだろうからな」
その言葉を聞いたとき一子は固まった。
「え・・・?ジャンヌ・・・・?」
「ん?」
「士郎―――――、雫――――――、朝食出来ましたよ――――って、川神さん?」
一子が呆けている時に引き戸から、川神学園の制服の上からエプロンを身に着けているジャンヌが現れて一子を視界に居れたのだ。
そして一子の様子はと言うと――――。
「・
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